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更新日:2017年7月3日

児童書出版助成対象作品決定

児童文学の書き手の育成を図るため、児童文学に関する優れた作品に対して出版助成を行う児童書出版助成について、第2回目の助成対象作品が決定いたしましたので、お知らせします。

制度の概要

児童文学の書き手の育成を図るために、児童書に関する「原稿」を募集し、優れた作品に対して出版助成を行う。

助成額は、出版実費の2分の1以内で、50万円を上限とし、出版後助成する。

助成対象の出版物は、市が必要部数を購入し市内の学校・図書館等に配布する。

助成対象作品

作者名

アリスターターリー

ターリー美紀(共著)

作品名

モイラと雲ちゃん火山のアシュリーをたすけなきゃ

作品のジャンル

絵本

作者略歴

アリスターターリー氏はニュージーランド出身。
2005年より鹿児島純心女子中学・高等学校の教員。
ターリー美紀氏は2008年より民間の総合教育機関勤務。
夫妻で絵本制作に取り組んでおり、今回初めての出版となる。

応募状況・講評

応募作品数

11作品

作品名 ジャンル
エターナルバーレイの狼 小説
半成人の日記 日記(2名の共著)
大江流特別支援算数指導マニュアル1~4 指導マニュアル
あまみの森でケンムンにだまされた 物語
なり君のてくてくさんぽ 絵本(2名の共著)
なりあきらの夢 絵本(2名の共著)
モイラと雲ちゃん火山のアシュリーをたすけなきゃ 絵本(2名の共著)
おねえちゃん☆てちょう 物語
さやのお舟 詩集
出会いがひろがる絵手紙 絵手紙
水のリボン 詩集

選考委員の応募作品講評(作品受け付け順)

鹿児島純心女子高等学校教諭廣尾理世子

エターナルバーレイの狼

老いた猟師と狼の対決を軸にした物語。骨格がしっかりとしており、カナダの雄大な自然描写と相まって、一気に読ませる作品である。猟師と狼、それぞれの誇りと情愛が織り込まれ、動物の心情描写も無理なく伝わってくる。やや古風な文体だが、それが作品の力強さに繋がっている。児童文学で、「夫婦」の繋がりを描いている点が、新鮮であった。

半成人の日記

30年前の小学4年生の日常を実際に書いた日記。登場する出来事やものが、生き生きとした描写によって懐かしさと共によみがえり、何度も読み返したくなる。その一方で、昭和何年の出来事であったのかがはっきりと描かれていない点、当時を知らない読者への説明がなされていない点が気になった。「日常」を描いているからこそ、裏付けが欲しい。

大江流特別支援算数指導マニュアル1~4

現在の鹿児島の教育において大切な問題を扱っている貴重なマニュアル。「特別支援」によって、子供たちが、社会で生きて行くために必要なことを学び、自らの能力を発揮できるためのマニュアル作りは喫緊の課題である。こうした取り組みに対して、公的な機関がバックアップするのは非常に重要だと考える。

あまみの森でケンムンにだまされた

奄美のケンムンをモチーフにした作品。豊かなイメージの広がりと、現実と幻想を行き来する構成が興味深かった。その一方で、この題材と構成は、むしろ戯曲にふさわしいのではないかと感じた。舞台作品として「奄美の森でケンムンにだまされた」を味わってみたい。

なり君のてくてくさんぽ

かわいらしくわかりやすい絵によって、親しみやすい鹿児島の観光案内となっている。すべての絵がそろっていない点と、島津斉彬をイメージしたのであろう「なり君」が何者であるかが全く描かれていない点が気になった。絵本であるより、ポスターシリーズとした方がよいのではないか。

なりあきらの夢

島津斉彬の業績を「誰も見たことがない反射炉への挑戦」に絞って、分かりやすく説明しようとした作品。一つに絞るという視点は面白い。ただ、肝心の反射炉の説明がほとんどない点、反射炉そのものの構造を示した絵が入っていない部分、絵のタッチがバラバラであることが気になった。

モイラと雲ちゃん火山のアシュリーをたすけなきゃ

左から開くと英語の絵本、右から開くと日本語の絵本という面白い構造、雲を主要な登場人物にしていることで鹿児島を上空から捉えるという視点が加わり、つくり方の面でも内容的な面でも、立体的な作品に仕上がっている。火山灰という身近な話題を取り上げながら、ファンタジー性と観光解説的な側面も出て面白い。物語に登場する英単語の説明コーナーやQ&Aも設けられ、実際に使うことを前提とした細やかな配慮が好もしかった。

おねえちゃん☆てちょう

「もうすぐ、わたし、一年生になる」。この導入部で一気に物語が動き出す。母親の妊娠と出産という出来事をテーマに、子供の視点に寄り添いながら大人の視点での解説も加わって、無理なく読み進めることができる。登場人物である祖母の会話に登場する鹿児島弁がリズムを生み出している点も面白い。作中に登場人物の絵の描写があるので、イラストが添えられていると、更に良いのではないか。

さやのお舟

言葉の響きが魅力的な童謡詩集で、口ずさみたくなるフレーズが沢山あった。表紙の絵の色やデザインも不思議な味わいで、「さやのお舟」というタイトルとのバランスがうつくしい。その一方で、収録されている詩の数がやや多いこと、作中のイラストのタッチが統一感に欠ける点が惜しい。軽やかなリズムにふさわしい、軽やかな本のつくりにした方がよかったのではないか。

出会いがひろがる絵手紙

心温まる「絵手紙」と、絵手紙を通した人との交流が伝わってくる。ただ、「児童出版」という枠組みにふさわしいのか、疑問が残った。絵手紙は対象をどのようにクローズアップするかという点が面白いので、そこに特化したつくりにすると、世界の捉え方が変わる面白さが味わえたのではないか。

水のリボン

「水のリボン」というタイトルからファンタジックな内容を連想したが、大人の眼で切り取った世界を映し出す詩の世界が広がっており、そのギャップが印象的だった。日常や人生を見据えた、独自のことばの世界が展開されている点は興味深いが、「児童出版」という枠組みにふさわしいのか疑問が残った。

鹿児島国際大学教授森孝晴

エターナルバーレイの狼

ジャック・ロンドンや椋鳩十を思わせる話。よくできていて、力作。夫婦、家族、自然環境、生死の緊張などの様々な視点を含む秀作。

半成人の日記

みずみずしい作品だが、ストーリーがなく、物足りない。

大江流特別支援算数指導マニュアル1~4

力作で重要な書だが、児童書というより教育書ではないか。細かい指示が丁寧で親切、工夫も多い。

あまみの森でケンムンにだまされた

地元ネタをうまく使ったファンタジー。絵があるとさらに良い。現代を舞台にしながら不思議な昔話のような味わいあり。

なり君のてくてく散歩

深みに欠ける。未完成部分がある。

なりあきらの夢

深みに欠ける。未完成部分がある。地元に密着した内容なので残念。

モイラと雲ちゃん火山のアシュリーをたすけなきゃ

地元愛を感じさせる。欧米の絵本のようで、和英の形になっているのはユニークで、教材としても利用できる。

おねえちゃん☆てちょう

絵が欲しい。みずみずしいが、やや平板で、ストーリーはあまり珍しくない。

さやのお舟

文学性の高い部分もあるが、「童謡詩集」と言いながら、子供には難解な部分も含む。力量はある。

出会いが広がる絵手紙

児童書ではない。構成がわかりにくく流れがないので、やや難解な印象を与える。人生の重さを感じさせ、さわやかさもある。

水のリボン

レベルは高いが、統一性を欠く。生活感、情感があるが、やや平凡で物足りない。

かごしま近代文学館アドバイザー石田忠彦(選考委員長)

エターナルバーレイの狼

人と狼の交感、動物を通じての生態系の問題、親と子、夫婦の葛藤など、主題が明確に物語化されている優れた作品である。選考会では、最後まで議論の対象になった。
難点は、児童文学としては、使用用語に問題があった。それは、児童・生徒を読者とした場合、漢語の使用や比喩表現などに古く難しい文章表現が多かった点である。また、現在、インディアン(ネイチブ・アメリカン)の用語は使われていない。
他の難点は、人と狼との対決の場面で、「~と(狼が)考えた」という擬人化した表現が頻出するが、全体の流れから見て不自然の感は免れない。
「まえがき」は「あとがき」に回した方が、内容的に自然である。

半成人の日記

10歳の少女の日記としては、日々の生活上での諸現象への着眼が優れていて、好感をもてるものである。
難点は、鹿児島独自の風習である「半成人式」を表題に掲げているが、作品の内容にはそれに触れた箇所が見受けられない。このことと関係するが、全体的に盛り上がりに欠けていて、平板だという印象が払拭できない。半成人を少女の成長段階での結節点として、作品の山場がほしい。

大江式特別支援算数指導マニュアル1~4

政府も特別支援学級における教育に力を入れ始めたので、時宜を得た好出版物である。
文部科学省のしかるべき部署や県教育委員会などで、当然助成する必要があると実感した。
本出版助成事業の主旨からは、本書の受容対象が限定される点に難点がある。
説明文に脱字が多く、また、助詞の使い方の不自然さが目立った。

あまみの森でケンムンにだまされた

拒食症とかゲームづけとかダイエットとかの、いわゆる現代病を、奄美の歴史と風土のもつ特殊性で相対化しようとする作品の意図には好感をもった。
ただ、作品における作者の意図が次の諸点で生かし切れなかった。(1)冒頭の太郎の船中からの失踪と、結末の帰還との整合性。(2)黒砂糖労働・奄美の歴史風土風習・ケンムンなどの位置づけが曖昧ないしは説明不足で、それぞれが宙に浮いていて、まとまったイメージを提出していない。

なり君のてくてくさんぽ

一冊の本としての編集がなされていないために、未完成の原稿の感は免れなかった。

なりあきらの夢

一冊の出版物としては、量的に少なすぎた。
なりあきらについての逸話が、陳腐で新しい発見や創造性がない。

モイラと雲ちゃん火山のアシュリーをたすけなきゃ

私たちの日常の下方からの視点を、上方からの視点へと転換した試みには目新しさを感じた。また、小学校での英語教育などから考えても、英文の付加は斬新な試みである。
難点は、自然(火山・火山灰)と共存共生(美しさと汚れ)にテーマを絞ってまとめ、灰と花火とを使っての劇的な盛り上がりが欲しかった。

おねえちゃん☆てちょう

幼稚園から小学校へ入る少女の、まわりに起きる事件と、それに対する心の動きを、そつなくまとめてある点には好感がもてた。子供の日記という子供の視点からの世界認識は、児童文学の王道である。
表現方法については、一の、文房具の擬人化が、二以下の写実的表現とうまく対応せず、擬人化の意味を失ってしまった。全編を擬人化で統一するのも一つの表現法かと感じた。

さやのお舟

二や三の言葉遊びの章には、谷川俊太郎を連想させて、好感がもてた。児童向きの一冊の本としては、やや、分厚くなるので、二、三、五を中心にして、各編に挿絵を配してまとめる方がよかった。
作者にとって、自分の作品への愛着は理解できるし、また、一編一編の詩の完成度とは別問題であるが、児童という読者対象を十分考慮して、一冊の本としてのまとまりが欲しかった。
難点としては、一は、イメージの出どころや発想の基盤が歴史的で、現在の児童の感性への訴えには少し無理があると感じた。

出会いがひろがる絵手紙

説明文が散発的であるだけでなく、全体的に編集が行われていないし、児童文学という本事業の主旨からも外れている。
絵手紙は通信手段なのか、趣味の作画なのかがはっきりせず、雑居している。

水のリボン

全体の内容は、(1)奄美のイメージの詩化、(2)愛猫への讃歌、(3)自己の体験の詩化、(4)詩的言語の生成過程、に分けられるが、読者である児童の感性等を充分に考慮した編集への工夫が必要である。このままでは、詩の内容が、児童向きとは限らないものを含んでいる。

次回の原稿募集に向けて

審査員を代表して、総評を記載します。(選考委員長石田忠彦)

  • 本事業の主旨が、児童に対して、文化的な教養や教育の面で貢献できる出版物への助成であるので、その点を充分に考慮したうえで応募してほしい。
  • 原稿は、それをそのまま出版社に渡せば、一冊の本になる状態で応募してほしい。編集作業がなされていなかったり、編集されていても、読者が児童であるという視点が欠けていたり、または、子供向きも大人向きも、いろいろな内容の原稿が混在していたりしたものが、見受けられた。
  • 表記方法についても、読者が児童である点を考慮して、小学校高学年から中学生ぐらいが理解できる用語やいいまわしで表記してほしい。。
  • 表紙・活字の大きさ・挿絵・色調などの「造本」についても、読者である児童を念頭に置いて工夫してほしい。
  • 優れた児童書は、児童に感動と共感とを与えるものであるが、同時に、大人が読んでも共鳴できるものである点も、充分考慮して創作してほしい。

よくある質問

お問い合わせ

市民局市民文化部文化振興課

〒892-8677 鹿児島市山下町11-1

電話番号:099-216-1501

ファクス:099-216-1128

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