小企画展「令和3年度　新収蔵品展」

昨年度の丸一年をかけて収集した新たな美術品を、一部に参考作品も交えてご紹介します。
【購入作品】
《1914年カレンダーを手にする女(英語版)》①は、橋口五葉のデザイナーとしての才能を存分に発揮した作品。国内で現存が確認されているのは２点のみという非常に貴重なポスターです。同じく五葉の《絵画帖》は、図案や風景画のほかに偉人の肖像画やコマ割りの画面構成なども見られる100頁を超す直筆の作品集です。
これらの他にも、木村探元の大幅の花鳥画《水飲みの虎》や橋口五葉の油彩画《光る雲》と日本画《耶馬渓の初夏》、薩摩焼・竪野系の２点《錦手牡丹唐獅子文耳付花生》《布袋像》をご紹介します。
【寄贈作品】
　昨年、稲盛財団から寄贈を受けた帖佐美行の彫金作品12点と、刃鏨(たがね)などの道具類を初公開します。なかでも《賛陽舞心（迎雅捧燈）》は第23回日展で天覧も賜った帖佐の代表作です。
《奄美・八月踊》③は、遠藤彰子が奄美大島を訪れ、新節(あらせつ)の行事を油彩で描いた大作です。《新しき気持に染まる》と《クレイジーキャットに気をつけろ》④の２点はいずれも、鹿児島市出身の染織作家・上原利丸の代表作。ほかにも橋口五葉の画稿などをご紹介します。
【寄託作品】
和田英作の《杜(もり)の聲(こえ)》②は、当館の所蔵品にはなかった歴史や神話のテーマを扱っており、その画業をたどる上で重要な油彩画となります。海老原喜之助の《屏風》は、作者が鹿児島市に帰省した際、妹の家で描いた即興的な水墨画です。

これらの作品の他にも黒田清輝や曽宮一念の手紙など、新たな資料の数々も一堂にご紹介します。さまざまなご縁で当館に集まることとなった作品や資料を、この機会にどうぞお楽しみください。

 

 

　①　　　②

　③　④

 

①橋口五葉《1914年カレンダーを手にする女（英語版）》1913年

②和田英作《杜の聲》1919年（寄託品）

③遠藤彰子《奄美・八月踊》2019年

④上原利丸《クレイジーキャットに気をつけろ》2015年

会期

2022年5月24日（火曜日）～7月10日（日曜日）

会場

2階 企画展示室

関連イベント

ギャラリートーク（担当学芸員による作品解説）5月28日(土)、6月11日(土)、6月25日(土)14：00～14：30

　展覧会場内、申し込み不要（先着10名）、観覧券必要　

同時開催（観覧料共通・2階 常設展示室）

初夏の所蔵品展　ミニ特集：シュルレアリスムと鹿児島

会期：2022年5月31日（火）～8月7日（日）

 

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最終更新日：2022年5月18日