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ホーム > 文化・スポーツ > 文化振興・文化財 > 児童文学振興 > 第10回児童書出版助成作品決定

更新日:2025年7月2日

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第10回児童書出版助成作品決定

児童文学の書き手の育成を図るため、児童文学に関する優れた作品に対して出版助成を行う児童書出版助成について、第10回の助成作品が決定しました。

制度の概要

児童文学の書き手の育成を図るために、児童書に関する「原稿」を募集し、優れた作品に対して出版助成を行う。

助成額は、出版実費の2分の1以内で、50万円を上限とし、出版後助成する。

助成対象の出版物は、市が必要部数を購入し市内の学校・図書館等に配布する。

助成作品

作品名

「カッパの小太郎 がんばっちゃった!」

作者名

文・絵:やぎしほか氏

作品のジャンル

絵本

応募状況・講評

応募作品数

2作品

応募状況
作品名 ジャンル
カッパの小太郎 がんばっちゃった! 絵本
ぽかぽかのいす

絵本

選考委員の応募作品講評

【選考委員】(五十音順)
石田忠彦氏(かごしま近代文学館アドバイザー・選考委員長)
廣尾理世子氏(鹿児島純心女子高等学校教諭)
森孝晴氏(鹿児島国際大学特任教授)

作品名:「カッパの小太郎 がんばっちゃった!」

石田委員長

内気で引っ込みがちで仲間にとけ込みにくい性格の小太郎が、自分の個性を仲間に助けられて発揮するという、物語の主意が、力比べという出来事によって描かれています。低学年の読者にも分かり易く、励みになる物語だと評価しました。文字による記述がやや冗漫に過ぎ、また挿絵の色調にもいくらかの難点がありますが、河童の皿には家紋のような「皿紋」があるという、奇想天外な設定には感心しました。読者も楽しむことだと思います。

廣尾委員

河童なのに泳げない…そんなコンプレックスを抱く「小太郎」が仲間の励ましによって「自分にしかできないこと」を見出していく過程が丁寧に描かれています。あらゆる素材を使って河童の世界を構築しているエネルギーが魅力です。豊かな色遣いと、いい意味での雑多さとが、唯一無二の世界を作り出していると感じました。文字と絵のバランスに配慮することで、さらに子どもを引きつける作品となるでしょう。

森委員

勇気を出すことの大切さを教える道徳性・教訓のある作品で、完成度はかなり高い。絵は面白いが、不鮮明なところがあるほか、助詞の間違いや子供にはわかりにくい所(「ぬまち」「1り」など)も見受けられる。P.1の「お城」の絵があるといいし、P.28の甲羅の絵はもっとわかりやすくしたほうがいい。カッパが泳げないという設定ではなく「苦手」くらいにしてはどうだろう。話の終わり方はやや唐突であり、少し書き加えたい。表紙に作者名がなく、後付けが付いていない、など改善が必要である。

作品名:「ぽかぽかのいす」

石田委員長

挿絵の色調と物語内容とが調和して、全体的に柔い雰囲気が流れています。その美しい雰囲気だけであれば、高く評価できます。ただ残念なことに、「あとがき」で書かれた、この物語の背景にある、ブリーダーや保護犬の問題などの、いわばこの物語の主意が物語では充分に生かされませんでした。それは、文学でいえば隴化法、絵画でいえば朦朧体とでも言える方法で書かれたために、想定される読者の年齢では、その主意が理解しにくいと考えられます。前半が理解されないと、後半の優しい飼い主の話だけになり、物足りません。

廣尾委員

赤ちゃんを産むためだけに生きる犬がたどり着いた「ぽかぽかのいす」。現代の問題を、人間の視点ではなく、犬の視点で描くことで、「なぜ」「なに」という問いを引き出す展開になってます。年齢が上がるごとに解釈も変わるような「余白」が魅力で、それを繊細で温かみのある絵が支えています。ただ、あまりにも読者の判断にゆだねすぎる点があったので、場面の転換等ではあとワンクッションあってもよいかなとも感じます。

森委員

保護犬の立場から語られたやさしい物語であり、完成度も高い。絵もかわいく、温もりがあり、ことばや字もクリアである。ページの向きが気になるし、ページ番号を打ってほしかった。「保護センター」はあえて漢字にしたのか?「ほごセンター」ではいけないのか?話がやや急な終わり方になっているように感じるので、少し書き足した方がよい。

よくある質問

お問い合わせ

市民局市民文化部文化振興課

〒892-8677 鹿児島市山下町11-1

電話番号:099-216-1501

ファクス:099-216-1128

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