更新日:2022年2月25日
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「鹿児島市平和都市宣言」(平成2年2月26日)の啓発のため、毎年、市内の小学5・6年生と中学生から平和に関する標語を募集しています。
令和3年度は、小学校7,286点、中学校8,656点、計15,942点の応募がありました。
最優秀賞、優秀賞、入選作品が決定しましたので、紹介します。(敬称略)
武中学校3年
冨永眞衣(とみながまい)
【講評】
「知ること」は、これからの社会を生きていく大きな力となります。特に、平和に関しては、「過去の歴史を正しく知る」ことが求められます。冨永さんも、学校や家庭などで、多くのことを学ばれたのでしょう。その「知る」ということが、「平和の未来つくる道」へとつながっていくのです。世界が争うことなく、お互いを知り、認め合い、平和の未来をつくる道はこれなんだと優しくも力強いメッセージが込められた作品です。
皇徳寺小学校5年
西まりな(にしまりな)
【講評】
令和3年は、1年延期となった東京オリンピックが開催されました。『平和の祭典』と言われるオリンピックを象徴する聖火。それは、オリンピック発祥の地であるギリシャで採火され、世界各地を多くの聖火ランナーによって、開催地まで運ばれます。その聖火に「平和への思い」を託し、今だけでなく、未来へも引き継いでいこうという静かな決意と、今の平和が今後も続いていってほしいという西さんの願いも感じられる作品になっています。
伊敷台小学校6年
有川星甫(ありかわせいほ)
【講評】
「今を生きる」という下の句の力強い表現が読み手を引き付け、有川さんの真摯な思いが表れています。先人から連々と受け継がれてきた平和のありがたさと、今、生かされていることの使命感をしっかりと抱き、自分たちの世代が主人公となって平和と向き合っていこうという思いが感じられます。「今の時代を生きる」世界中の人々が、どんな困難にも手を取り合って平和に暮らせる喜びを感じられることを願っています。
伊敷中学校1年
樋口聡馬(ひぐちそうま)※「樋」のしんにょうの点は1つ
【講評】
今年の夏に行われた東京五輪を想起させる標語となっており、世相を表す作品となっています。五輪がつないだものの一つに、スポーツや国といった枠を超越した「平和」という心の絆もあるでしょう。リレーのバトンのように、平和のバトンも次の世代へと永遠につないでいきたいという樋口さんの願いを感じます。また、「五・七・五」にとらわれない破調と永遠を「とわ」と読ませることが素敵な言葉のリズムをつくっています。
伊敷中学校2年
寺澤悠翔(てらさわゆうと)
【講評】
コロナ禍も長引き、人との関わりが制限されたこの頃は、自然と心の距離もひらいてしまう気がします。そんな中、「わかり合う」という身近な行為を通して相互理解に努め、平和を築こうとする寺澤さんの作品には、柔らかさの中にも、主体的に平和を築いていこうとする強い意志が表れています。また、「それが―」と一歩引いたところから全体を大きく見渡す視点に、次世代を担おうとする頼もしさも感じさせてくれる作品です。
標語 |
氏名 |
小学校名 |
---|---|---|
ちゃんと聞こう平和の重さを知る声を |
田中拓人 |
原良小学校 |
この平和私の時代で絶やさない |
古市梨花 |
吉野東小学校 |
見てみたい国境の無い世界地図 |
桑山凛香 |
坂元台小学校 |
守りつぐ平和のともしび未来へと |
須藤羽南 |
石谷小学校 |
一折りに平和のちかい千の鶴 |
瀬戸口陽香 |
原良小学校 |
標語 |
氏名 |
小学校名 |
---|---|---|
終戦日祖父と語らう平和について |
中村ひらり |
中山小学校 |
つなげよう平和のバトン令和の未来 |
門田珠穂 |
宇宿小学校 |
千羽づる平和のいのりも折りこんで |
金澤美弥 |
和田小学校 |
いつまでも平和を願う青い空 |
入江菜々美 |
坂元台小学校 |
未来でも平和な景色を見ていたい |
水本さくら |
西田小学校 |
標語 |
氏名 |
中学校名 |
---|---|---|
私たち平和な未来の主人公 |
湯田唯嘉 |
吉野中学校 |
未来の平和今の自分が作りだす |
成松悠羽 |
和田中学校 |
つむいでく太くて確かな平和の糸 |
田代菜乃 |
清水中学校 |
受け継ごう平和を望むその心 |
田部聖奈 |
城西中学校 |
五輪の輪みんなつながる平和の和 |
豊村柚月 |
西紫原中学校 |
標語 |
氏名 |
中学校名 |
---|---|---|
私たちが新しい平和の1ページ |
中島凜乃 |
鴨池中学校 |
この先の平和を誓う千羽鶴 |
植松そら |
鴨池中学校 |
平和こそ永遠に語られる唯一の宝 |
黒木美心 |
星峯中学校 |
平和の糸過去からつないだ贈り物 |
山中咲季 |
武岡中学校 |
伝えよう平和の尊さいつまでも |
徳永莉桜 |
甲南中学校 |
標語 |
氏名 |
中学校名 |
---|---|---|
戦火より熱く燃ゆるは平和の祈り |
前田伽ら※ ※らは草かんむりに來 |
伊敷台中学校 |
黙祷にこめる思いいつまでも |
鬼塚すみれ |
吉野中学校 |
空高く平和を掲げたあの日から |
津曲美聖 |
坂元中学校 |
平和を謳おう声高らかに届けよう世界中に |
荒関粋成 |
天保山中学校 |
折り鶴がひとつひとつと増える夏 |
田邉奏侍 |
吉野中学校 |
【審査総評】
今年度の平和都市宣言標語への募集に際しては、15,942点(小学校7,286点、中学校8,656点)と、ここ数年では最多の作品が寄せられました。小・中学生の皆さん、指導してくださった先生方の意識の高まりを感じます。今年の特徴として、平和の祭典オリンピックにちなんだ作品が多くみられました。特に、入選した30点の作品は、児童・生徒のみずみずしい感性とこれまでの学習の成果が反映され、平和への思いが伝わってきました。
標語作りは、俳句と同様に五七五の十七音で表現するのが基本型ですが、字余り、字足らずになっても響きとリズムが良いものなら問題はありません。何よりその言葉から受ける感じ(語感)と言葉の続き具合(語呂)をよくすることが大切です。その他、漢字と仮名をバランスよく使うこと。倒置法や体言止めを使って変化を出すこと。対照的な語句を使って際立たせること等も考えられます。響きのよい語の頭をそろえる頭韻法や語尾の韻を踏む脚韻法にチャレンジしてもよいでしょう。
平和な社会を引き継ぎ、豊かな郷土を発展させるのは、皆さん一人一人です。今回の作品制作を機会として、鹿児島から世界の恒久平和を訴えていきましょう。
講評及び審査総評:市教育委員会
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