更新日:2024年10月2日
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秋の代表的な果物の一つといえば柿。お好きな方も多いではないでしょうか。9月~12月ごろまでさまざまな品種が出回ります。
甘柿と渋柿に大別されますが、甘柿の種類は渋柿に比べ少なく、20種類ほどしかありません。代表格は「富有柿」で甘柿生産量の約8割を占めています。
甘柿と渋柿の違いは渋みの成分の「タンニン」が口の中で溶けるかどうかで決まります。溶けると渋くなるため、渋柿はアルコールや炭酸ガスで処理し、タンニンを可溶性から不溶性に変化させることで甘くしています。
ビタミンCの含有量は日本人がよく食べる果物の中でトップクラス。風邪予防や美肌効果が期待できます。ヘタを下にして保存すれば、ヘタからの水分の蒸発を防げるのでお勧めです。常温だと2日ほどでやわらかくなります。購入したら早めに食べましょう。
(令和6年10月2日南日本新聞に掲載)
「ピーナツ」とも呼ばれる落花生はナッツ(木の実)ではなく、名前の通り花が落ち、土の中で実がなるマメ科の作物です。鹿児島では「だっきしょ」とも呼ばれます。米と同じく実りの秋に旬を迎え、8月末~11月中旬が新豆の時季です。
生の豆が手に入ったら「ゆで落花生」にするのがお薦め。鍋にたっぷりの水と約3%の塩を加え、弱火で30分ほどゆでて冷ましたら出来上がり。塩味が染みて甘みが引き出され、ゆでたてはホクホクした食感でおいしく食べられます。冷凍庫で長期保存も可能です。
高血圧の改善に有効なカリウム、血管の老化を防ぐビタミンEのほか、ビタミンB1、渋皮にはポリフェノールの一種であるレスベラトロールなど豊富な栄養素を含んでいます。
食べ始めるとついつい手が止まらなくなる落花生。適量を心がけながら旬の味をお楽しみください。
(令和6年9月25日南日本新聞に掲載)
カボチャは鹿児島県が生産量2位の野菜です。16世紀ごろポルトガル船から「カンボジアの野菜」として伝わったことが由来だそう。国内では夏場に多く収穫されますが、しばらく貯蔵し、追熟することでおいしさや栄養価が増すため、秋から冬に最も多く出回ります。
ベータカロテンやビタミンE、Cを多く含み、免疫力の強化、細胞の老化や生活習慣病の予防などの効果が期待できます。皮につやがあって硬く、重みがあるものを選びましょう。ヘタが枯れて乾いているものは余分な水分が抜け、よく熟していておいしく食べられます。
水気に弱く、傷みやすい野菜ですが常温で2か月ほど保存できます。風通しがよく、10度線前後の環境で保管するのが理想。気温が高ければ新聞紙で丸ごと包み、野菜室で保管を。カット後に冷蔵保存するならわたと種を取り除き、水気を取ってからラップに包みましょう。
(令和6年9月18日南日本新聞に掲載)
秋から冬にかけてが旬の里芋。ねっとりとして軟らかい「土垂(どだれ)」や、ぬめりが少なく、ほくほくした食感の「八ツ頭」、きめが細かく煮崩れしにくい「海老芋」などの種類があります。一つの親芋から子芋、孫芋と増えていくため子孫繁栄の縁起のいい食材とされています。
ふっくらと丸みがあり、変色や傷がなく、泥付きのものが良品です。皮は湿り気がある方が新鮮。軽く湿らせた新聞紙に包んで冷暗所に保存しましょう。
ぬめりはガラクタンやマンナンという成分に由来し、前者は免疫力を高め、血中コレステロールの抑制や便通をよくする働きがあり、後者は糖尿病の予防などに効果が期待できます。ナトリウムや葉酸、ビタミンB6も含んでいます。
筑前煮や煮転がしといった煮物、だんご汁やみそ汁、コロッケなどの揚げ物でもおいしく食べられます。秋の夜長にいろいろな料理で楽しんでみてはいかが。
(令和6年9月11日南日本新聞に掲載)
秋の味覚の代表格とも言える栗は、9月~10月に旬を迎えます。菓子や総菜などさまざまな料理に使われ、なじみ深い食材です。実は、食している部分は種で、イガが皮、一般に皮だと思われている鬼皮が果肉に当たります。
栄養価が高く、芋類よりも多くのエネルギーが摂れます。渋皮には抗酸化作用のあるポリフェノールの一種・タンニンが多く含まれます。カリウムや葉酸も豊富で、高血圧や動脈硬化、貧血予防にも効果が期待できます。張りとつやがあり、ずっしりと重く、ふっくらとした粒の大きいものを選びましょう。
収穫したての栗は鮮度が大事。網の袋に入った状態で売られていることが多いですが、長時間そのままにしていると水分が蒸発して乾燥し、硬くなったり、食味が悪くなったりします。買ったらポリ袋に入れて冷蔵庫で保存し、2、3日で使い切るようにしましょう。
(令和6年9月4日南日本新聞に掲載)
鹿児島県はサツマイモ収穫量が全国1位を誇ります。中米が原産といわれ、江戸時代に薩摩から全国に伝わったことが名前の由来。土壌を選ばす痩せた土地でも育つため、江戸時代の凶作や戦時中に多くの人々を飢えから救いました。
関東を中心に紅あずま、関西や南九州地域では紅さつまや鳴門金時が作付けされています。品種改良が進み紅はるかなどのねっとり系品種も多くみられます。
米や麦よりもカロリーが低く、ビタミン類や食物繊維が豊富に含まれているのが特長。切り口から出る乳白色の液体・ヤラピンは整腸作用があり、便秘予防に効果があります。紅色が濃く、肌が滑らかでつやがあるものを選びましょう。低温と乾燥に弱いので、新聞紙に包んで風通しの良い冷暗所で保存してください。
語呂合わせで8月31日は野菜の日。サツマイモをはじめ、今が旬の夏野菜などいろいろ味わってみてください。
(令和6年8月28日南日本新聞に掲載)
爽やかな甘酸っぱさが人気のキウイは中国が原産地と言われています。その後、ニュージーランドで栽培が始まり、現在では世界中で食べられています。ゴールドやルビーレッドなどの品種があり、色鮮やかな見た目も人気の理由です。
多様な栄養素がバランスよく、他の果物よりもたっぷり含まれています。ビタミンCは風邪予防や疲労回復、肌荒れなどに効果が期待でき、食物繊維による整腸作用のほか、豊富なカリウムは高血圧や動脈硬化を防いでくれます。
表面に傷がないものを選びましょう。お尻と頭の部分を指先で挟むように持ち弾力を感じるくらいが食べ頃。まだ硬ければ追熟することもできます。
サッと手軽に食べられるのがキウイの魅力。半分に切って、スプーンですくってどうぞ。また、ヨーグルトに入れて食べてもおいしくいただけます。手軽でおいしいキウイを取り入れて、健康で元気な毎日を送りましょう。
(令和6年8月22日南日本新聞に掲載)
ナシはシャリシャリとした食感とジューシーで爽やかな甘みが特長です。幸水や豊水、あきづきといった果皮が茶色い赤ナシ系と、二十世紀など果皮が緑色の青ナシ系があります。
幸水は柔らかい果肉に果汁がたっぷり含まれ甘みが強く、豊水は甘みの中にほどよい酸味があります。やや大きめのあきづきは果肉が緻密で糖度が高く果汁も豊富。二十世紀はシャリシャリとして甘みと酸味のバランスがいいです。食べ比べると甘さや食感の違いを楽しめます。
清涼感のある甘さは整腸作用のあるソルビトールによるもの。食物繊維との相乗効果で便秘改善が期待できます。アスパラギン酸、リンゴ酸、クエン酸も含まれ疲労回復や夏バテ解消に効果的です。
果皮に張りがあり、お尻がどっしりとして広いものを選びましょう。水分が蒸発しないようにポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに食べましょう。
(令和6年8月14日南日本新聞に掲載)
きめ細やかな果肉とみずみずしい甘さが魅力のフルーツである桃。一般的に最盛期は7月から8月の夏の時期で多くの品種が食べごろになります。
桃はペクチンという栄養素がとても多く入っています。ペクチンは食物繊維の一種で腸の働きを活発にしたり善玉菌を増やしたりして、便秘や下痢を解消してくれる効果があります。桃はとてもデリケートで乾燥と冷気に弱い果物なので、常温保存します。また気温が高くなり、部屋に涼しい場所がない場合は冷蔵保存がおすすめです。
形は全体的にふっくらと綺麗な丸みをしていて、全体的に紅く色づいているものを選びましょう。皮の色は濃い方が甘味があり、ツヤがあるものでお尻の着色していない部分の白色がはっきりしている桃がおいしいです。
切り方のポイントは、アボカドのように種を残しつつグルっと半分に切ること。そして最後に皮をむくことです。ジューシーで滑らかな食感をぜひ味わってください。
(令和6年8月7日南日本新聞に掲載)
つぶつぶした緑色の野菜といえばゴーヤー。独特の苦みがある夏の代表的な食材です。ゴーヤーとは、沖縄県で使われる呼び名で、和名は「ツルレイシ」または「ニガウリ」と言います。沖縄や南九州では古くから食べられており、全国的に普及したのは1990年代からです。
栄養価が高く、特にビタミンCとカリウムが豊富で健康野菜として人気を集めています。鮮やかな緑色と癖のある味から緑黄色野菜のようですが、カロテン量が意外と少ない淡色野菜です。
ずしりと重く、イボの大きさがそろっていて密なものが新鮮です。緑色が濃く突起が小さいものは苦みが強く、色が薄く突起が大きい方が苦みは弱いとされています。好みに合わせて選びましょう。
食べ方は豚肉や豆腐と炒めるチャンプルーが定番。酢の物や漬物、揚げ物などさまざまな調理方法で楽しめます。ゴーヤーで暑い夏を乗り切りましょう。
(令和6年7月31日南日本新聞に掲載)
日本で生産されるブドウの品種は約50~60種類に上り、果皮の色で赤、黒、緑(白)に大別されます。赤はデラウェア、安芸クイーン、黒は巨峰、ピオーネ、緑はアレキサンドリア、シャインマスカットなどが有名です。未熟なうちはどれも果皮が緑色ですが、成長の過程で赤や黒の色素が作られ、色が違ってきます。
主成分のブドウ糖と果糖は、体内に吸収されやすく、疲労回復や栄養補給にぴったり。皮に多く含まれるアントシアニンは目の疲れや視力回復に効果的です。
軸がしっかりしていて、粒の色が濃く、張りがあり、実の表面に白い粉「ブルーム」(水分の蒸発を防ぎ鮮度を保つ天然の成分)がしっかりとついているものを選びましょう。
手軽に食べられ、栄養価も高いブドウ。品種の違いを楽しみながら味わってみてください。
(令和6年7月24日南日本新聞に掲載)
みずみずしくパリっとした食感が特長のキュウリ。ハウス栽培の普及で店頭では年中見かけますが、夏が旬の野菜です。本格的に栽培が始まったのは江戸時代ごろで当初は苦みが強かったそう。幕末から明治時代にかけて品種間の交雑が進み、苦みが減って広く普及しました。
95%以上は水分でビタミンやミネラルなども含みます。カロリーが低くヘルシーで、体を冷やしたり、むくみを解消したりします。
緑色が濃く張りがあり、持つとずっしりと重みを感じて、太さが均一なものを選ぶと良いでしょう。いぼがある品種は表面がゴツゴツととがっているものほど新鮮です。
ビニール袋やラップに包んで野菜室に立てて保存を。傷みやすいため早めに食べきりましょう。夏の暑さに負けないようにサラダや酢の物、冷やし中華など様々な食べ方をお楽しみください。
(令和6年7月17日南日本新聞に掲載)
夏の風物詩として人気の枝豆は大豆の未熟な実を収穫したもの。呼び名は枝ごと出荷されることに由来するそうです。
緑色のものだけでなく、香りの良い茶豆や大粒の黒豆もあります。さやがふっくらとして色が良く、うぶ毛の密度が濃いものが新鮮で、枝付きの方が鮮度を保てます。節の間隔が狭く、さやが密生しているものを選びましょう。
時間がたつと痩せて甘みも失われるのでその日のうちにゆでて。塩をまぶしてもむとうぶ毛が取れます。ゆで上がったらうちわであおいで冷ますと色鮮やかになります。小分けしてさや付きのまま冷凍し1カ月を目安に食べきりましょう。
血圧の上昇を抑えるとされるカリウムや、造血作用のある葉酸が含まれます。不溶性食物繊維も豊富で便秘予防が期待できます。塩ゆでするだけの手軽さから、おやつやビールのおつまみに最適です。旬の枝豆を存分にお楽しみください。
(令和6年7月10日南日本新聞に掲載)
料理を美しく彩ってくれるトマトは、サラダやパスタはもちろん、炒め物や煮込み料理にもよく使われます。加熱すると甘みやコクが深まり、肉や魚とも相性抜群。栄養価も高くとても優れた野菜です。
鮮やかな赤色は色素成分のリコピンで、抗酸化作用があり、がんや動脈硬化予防が期待できます。油に溶けやすく熱に強いので、油を使って調理すると栄養の吸収力が高まりお薦めです。ベータカロテンやその他のビタミン類も豊富で、肌荒れや風邪の予防にもなるでしょう。
全体が赤く染まり、ずっしりと重く、皮に張りとつやがあり、ヘタが緑色でピンとしたものを選びましょう。お尻の部分に放線線状の筋がきれいに出ているものは甘みが強いとされています。
熟したトマトはビニール袋に入れて冷蔵しましょう。青みが残っている場合は常温追熟すれば酸味がやわらぎ、果皮も赤くなってきます。
(令和6年7月3日南日本新聞に掲載)
ショウガは熱帯アジアが原産地とされ、2~3世紀ごろに中国から日本に伝わったといわれています。古事記にも記載があり、古くから香辛料や薬用に利用されてきました。
独特の辛みと香りはジンゲロールやショウガオールによるもの。老化防止やがん予防、血行促進や新陳代謝を活発にする効果があります。皮に傷がなく、みずみずしく、ふっくらとして張りのあるものを選びましょう。
乾燥を防ぐために水に浸して保存するのがお勧めです。定期的に水を取り換えれば1カ月程度持ちます。使いやすい大きさにカットし、小分けにして冷凍すれば、そのまま調理できるため便利です。
香り成分は皮の近くにあります。肉や魚の臭い消しには皮ごと使いましょう。砂糖で煮つめたシロップは風邪予防や夏バテ防止に最適です。今が旬のショウガをさまざまな料理でお楽しみください。
(令和6年6月26日南日本新聞に掲載)
甘い果汁とシャリシャリとした食感が特長のスイカは夏の風物詩です。成分の約9割が水分のため体を冷やす作用があり、暑さによる疲れを癒やしてくれます。
サイズは小玉から大玉、形も丸からラグビーボールのようなものと種類が豊富。中でも鹿児島県産で代表的な「徳光すいか」は糖度が高く、流通量も少ないことから「幻のスイカ」とも言われています。
カリウムやアミノ酸の一種である「シトルリン」が多く含み、むくみの解消や高血圧化予防に効果が期待できます。赤い果肉には抗酸化作用のあるカロテン、リコピンが含まれます。つやがあり、しま模様のくっきりしているものを選びましょう。カットものは種が黒く、果肉と果皮の境目がはっきりしているものがお薦めです。
切ったら水分が飛ばないようにラップに包んで冷蔵しましょう。皮もサラダや漬物にするとおいしいです。スイカを食べてこれからの暑さを乗り切りましょう。
(令和6年6月19日南日本新聞に掲載)
桃の一種の「ネクタリン」はギリシャ神話で神々が飲んだ不老不死の霊酒「ネクタル」が語源だそう。和名は「ズバイモモ」で見た目はスモモに似ています。
甘酸っぱく、果肉が崩れにくいのが特長。旬は7月~9月ごろで特に8月に多く出回り、「秀峰」「ファンタジア」などさまざまな品種があります。
果皮全体が濃い赤色に色づき、みずみずしく張りがあり、ふっくらと丸みを帯びたものを選びましょう。甘い香りがして少し柔らかさを感じられれば食べごろ。硬いときは常温で追熟できますが、日持ちしないので早めに食べきって。食べる1~2時間前に冷蔵庫で冷やすとひんやりして美味です。しっかり洗えば皮ごと食べることができ、サラダやシャーベット、スムージーにしても楽しめます。
食物繊維やビタミンA、ビタミンCを豊富に含み健康食品としても知られるネクタリン。暑い夏にぜひご賞味ください。
(令和6年6月12日南日本新聞に掲載)
煮る、焼く、漬けるなど用途が幅広い万能野菜のナスは、これから出荷量のピークを迎えます。90%以上は水分で、体を内側から冷やす作用があり、ビタミンKやカリウム、葉酸、食物繊維をバランスよく含んでいます。
鮮やかな紫色は、ポリフェノールの一種のナスニンに由来します。ナスニンには、活性酸素の発生や働きを抑制する抗酸化作用があります。活性酸素は増えすぎると老化の原因となるため、ナスニンの摂取は老化対策にも役立ちます。
皮に張りと光沢があり、濃い黒紫色をしているものを選びましょう。ナスの原産地はインドのため、暑さや湿度に強い一方で、寒さや乾燥には弱い傾向があります。水気を拭き取ってラップで一本ずつ包み、ジップ付き保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れておくと、おいしさを保てます。栄養たっぷりのナスを食べて暑い夏を乗り切ってください。
(令和6年6月5日南日本新聞に掲載)
一年を通して店頭に並んでいるピーマンは、栄養豊富な緑黄色野菜です。これからの時季が最も多く出回ります。
独特の癖と苦みから、子どもに嫌われる野菜の代表格でした。改良により癖が少なくなり、健康野菜として人気を集めるようになりました。
栄養価が高く、特にビタミンCが豊富。ピーマンのビタミンCは熱に強く、メラニン色素の沈着を防ぐので、シミやそばかすの予防に役立ちます。未熟なうちに収穫した緑色のピーマンに比べ、完熟させた赤ピーマンは甘みが強くなり、ビタミンCの量も倍増します。
全体的に色が濃く、表面につやと張りがあるものを選びましょう。切り口がみずみずしく、変色していないものほど新鮮です。水分がつくと傷みやすいので、水気は拭き取ってから保存しましょう。
油と相性がいいため、炒め物や揚げ物にもお薦めです。
(令和6年5月29日南日本新聞に掲載)
サクランボの呼び名は桜の実を指す「桜ん坊」が由来とされ、正式名称は「桜桃」です。初夏を代表する果物の一つですが、栽培が難しいことから、生産量が少なく高価で「赤い宝石」とも呼ばれています。
「佐藤錦」や「アメリカンチェリー」をはじめ、「紅秀峰」や「高砂」などさまざまな品種があります。ビタミンやミネラルをバランスよく含み、疲労回復や美肌作用、高血圧予防が期待できます。
傷の有無や色の鮮やかさを確認し、皮につやと張りがあるもの、軸が太くてきれいな緑色のものを選びましょう。風通しがよく涼しい場所で保存し、早めに食べることをお薦めします。食べる1、2時間前に冷やすとおいしく食べられます。
加熱してジャムやコンポートにすると、甘い香りとフルーティーな味わいが楽しめます。いろいろなレシピで食べ比べしてみましょう。
(令和6年5月22日南日本新聞に掲載)
アスパラガスは4月から6月ごろにかけて旬を迎えます。ヨーロッパでは紀元前のローマ時代から栽培され、薬効のある野菜として重宝されていたそうです。日本には江戸時代に伝わり、大正時代に本格的に栽培され始めました。
やわらかい茎を食用にしています。緑色のグリーンアスパラガスのほか、日光に当たらないよう土寄せして栽培した白いホワイトアスパラガスがあります。
カロテンやビタミンC、ビタミンEルチンなどが豊富。皮膚や目の健康を保つ働きや免疫力の向上、動脈硬化・高血圧予防といった効果が期待できます。
色が濃くまっすぐで、穂先がしっかりしていて、茎の切り口が乾燥していないものがみずみずしく新鮮です。硬くなりやすいので早めに食べきりましょう。余った分は切り口を湿ったペーパータオルや新聞紙で包んで保冷袋に入れ、野菜室に立てて保存しましょう。
(令和6年5月15日南日本新聞に掲載)
鹿児島が生産量日本一を誇るオクラは幕末に花の鑑賞用として米国から持ち込まれ、1970年ごろから食用に普及しました。和名のようですが現地語に由来し、英語でも「okra」と書きます。
濃い緑色で、細かいうぶ毛で覆われ、張りのあるものが新鮮です。育ちすぎると種が詰まって固くなるので、7~8センチくらいのものがお薦め。低温と乾燥に弱く、ポリ袋や新聞紙に包んで冷蔵庫で保存し、3~4日で使い切りましょう。
ぬめり成分は胃の粘膜を保護し、消化を助け、夏バテ予防に効果があるといわれます。水溶性食物繊維のペクチンは整腸作用やコレステロールの吸収抑制が期待できます。
塩をまぶして転がすとうぶ毛が取れ、口当たりがよくなり、ゆで上がりの色も鮮やかになります。刻んでサラダやあえ物、丸ごと天ぷらでも美味。これからが旬のオクラで元気に夏を迎えましょう。
(令和6年5月8日南日本新聞に掲載)
初夏に旬を迎えるメロンは5~7月に多く出回ります。とても香り高く、ジューシーで、品のある甘さが特長。果肉の色で赤肉、青肉、白肉に分類されます。
甘みが強く果汁も豊富な赤肉系の夕張メロン、上品な甘みと芳香があり、みずみずしい青肉系のアールスメロン、口当たりが滑らかで上品な甘みの白肉系のホームランメロンと品種もさまざまです。
ナトリウムを排出する働きのあるカリウムや、コレステロール値を抑える食物繊維のペクチンが多く含まれています。赤肉系は風邪予防にも効果が期待できるベータカロテンも豊富。色むらがなく、均整が取れた左右対称で、ずっしりと重みを感じるものを選びましょう。
追熟により香りと甘みが増すので常温で保存し、食べる1~2時間前に冷やすと味が落ちません。カットものは種とわたを取り除き、ラップをかけて冷蔵庫に入れましょう。
(令和6年5月1日南日本新聞に掲載)
タケノコは春になると店頭に並び、食卓をにぎわせてくれる食材です。一般に流通しているのは「孟宗竹(もうそうちく)」です。大型で肉厚、柔らかくてえぐみが少なく、ほのかな甘みがあるのが特長。「春の味覚の王者」ともいわれています。
食物繊維のセルロースにはコレステロールの吸収を抑える作用があります。高血圧予防が期待できるカリウムや、新陳代謝を促し、脳を活性化させるチロシンも含んでいます。
ずっしりとして、皮が淡黄色でつやのあるものを選びましょう。穂先が濃い緑色のものは日に当たった証拠。筋が硬くなるので、穂先が黄色で開いてないものの方がお薦めです。時間がたつごとにえぐみが増すため、購入後はすぐにあく抜きをしましょう。水につけて冷蔵庫で保存すれば5日程度は持ちます。
炒め物や煮物、天ぷらなど、さまざまな料理で旬の味を楽しんでください。
(令和6年4月24日南日本新聞に掲載)
代表的な南国フルーツの一つであるマンゴーは、滑らかな口当たりと濃厚な甘さが特長です。鹿児島の独自ブランド「夏姫」は、糖度が15度以上、重さ350グラム以上、外観の紅色3分の2以上という厳しい基準を満たしています。これから夏にかけて出荷されます。
細胞の老化を抑えるベータカロテンが豊富です。貧血を防ぐ葉酸、腸の働きを整える食物繊維、高血圧や動脈硬化、脳梗塞や心筋梗塞などの予防になるカリウムも含まれます。
果皮が全体に赤く、触ったときに張りがあるものが熟していて食べ頃。さいの目状に切り込みを入れ、果肉を反り返らせた「花切り」で食べるのがお勧めです。
ほとんどは完熟した状態で出荷されるので、購入してすぐに食べられます。食べる2~3時間前から冷やしておくと、甘味が増します。
プリンやアイスクリームなどの加工品も人気です。ぜひ味わってみてください。
(令和6年4月17日南日本新聞に掲載)
バラ科ビワ属の木になるビワは、中国南西部が原産と考えられています。楽器の琵琶に形が似ていることから名付けられ、初夏の訪れを告げる果物として親しまれています。
鹿児島県産はこれから5月にかけて旬を迎え、ひとつひとつ丁寧に袋をかぶせて収穫します。
豊富に含まれているベータカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜、消化器官を正常に保つ働きをします。またポリフェノールは活性酸素を抑え、がん予防にも効果が期待されます。
鮮やかなオレンジ色で、果皮に張りがあり、産毛が残っているものがお薦めです。買ったらすぐに食べるようにしましょう。冷蔵庫に入れると傷みが早くなり、風味が落ちるので、冷やす場合は食べる直前にしましょう。へたを持って反対側から皮をむくと上手にむけます。ほんのり甘く、みずみずしい味わいをぜひ楽しんでください。
(令和6年4月10日南日本新聞に掲載)
グリーンピースは熟す前の柔らかな豆を食べる「実エンドウ」の一種です。日本では明治時代に一般的に食べられるようになりました。缶詰や冷凍品などで一年中で回っていますが、春から初夏が旬です。香りが特に強く、甘みのあるおいしさを楽しめます。
豆類特有のでんぷんやたんぱく質、糖類のほか、ミネラル類やビタミン類も多く含みます。食物繊維、ナイアシンなども豊富で、皮膚や消化器の働きを健全に保つ効果が期待できます。
乾燥に弱いため、さや付きがお薦めです。鮮やかな緑色をしていて、者にふっくらとした丸みとハリがあるものを選びましょう。ビニール袋に包んで野菜室に入れるか、塩ゆですれば冷凍保存もできます。
豆ご飯やスープにすると栄養分を逃すことなく、風味も楽しめます。旬のおいしさを味わってください。
(令和6年4月3日南日本新聞に掲載)
甘夏の「枝変わり」(突然変異の一種)として発見された紅甘夏は、名前の通り果皮・果肉の紅色が濃いのが特徴です。主な産地は鹿児島や熊本で、12月から翌年1月に収穫後、一定期間貯蔵し、出荷されます。食べ頃は4月から5月。甘く、酸味がまろやかでジューシーです。
ビタミンCを手軽に補給でき、酸味の元であるクエン酸は疲労回復やかぜ予防にも有効です。薄皮ごと食べれば食物繊維も摂取できます。
色が濃く、張りとつやがあり、重みを感じるものがお薦め。皮は厚いため、浅く切り込みを入れるとむきやすくなります。ジャムやサラダの具材、ドレッシングにしてもおいしく食べられます。
鹿児島県内では出水市などの北薩地域で主に栽培され、県のブランド産品に指定されています。普通の紅甘夏よりさらに酸味が少なく、糖度も高くなっています。ぜひ味わってみてください。
(令和6年3月27日南日本新聞に掲載)
鹿児島が生産量日本一のソラマメは、空を仰ぐようにさやが上に伸びることが名前の由来といわれます。北アフリカからカスピ海沿岸が原産との説が有力。最も歴史の古い豆の一つで、エジプトや古代ギリシャでも栽培していたようです。
さやが濃い緑色で均一に膨らみ、豆の形がくっきりと見えるものがおすすめ。弾力があり、表面のうぶ毛が残っているものがより新鮮です。空気に触れると風味が落ちるので、できるだけさや入りのものを選びましょう。
保存はさやのままビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で。鮮度が落ちやすいので、2、3日を目安に早めに食べましょう。植物性タンパク質が豊富で、カリウムや鉄などのミネラル、ビタミン類もバランスよく含んでいます。
旬のこの時期はさやごと焼いたり、ゆでたりして、風味豊かな素材の味を存分に楽しんでください。
(令和6年3月20日南日本新聞に掲載)
これから春にかけて、鹿児島県内各地の新バレイショが店頭に出回ります。きれいな色ときめ細やかな肌が自慢で、掘りたてをすぐに出荷することから、香り高さも特長です。
豊富に含まれるビタミンCは、でんぷんに守られているため加熱しても壊れにくく、風邪予防や美肌効果が期待できます。高血圧予防やむくみ改善につながるカリウムも多く含みます。表面にしわがなく、色が均一で重量感があり、丸くふっくらとした形のものを選びましょう。
皮が薄く柔らかいので、よく洗ってから皮ごと揚げたり、じゃがバターなど丸ごと調理するのがおすすめ。皮やその近くに多く含まれる栄養分を効率よく摂取できます。水分が多く煮崩れしにくいため、煮たり炒めたりしてもみずみずしく、しっとりした食感を楽しめます。新バレイショならではの食べ方で、旬の味わいを堪能してみてはいかが。
(令和6年3月13日南日本新聞に掲載)
新タマネギは収穫後に乾燥させず、すぐに出荷されるため、みずみずしくて辛みが少ないのが特長です。3~5月に旬を迎える春限定の味覚です。
硫化アリルが豊富で、血液をサラサラにする効果や免疫力を高めて風邪を予防する効果があります。便秘や肌荒れを予防するオリゴ糖や血圧を下げる働きがあるカリウムも含んでいます。
きれいな丸みがあって傷が少なく、重みを感じるものを選びましょう。上の部分の柔らかいものは、中が傷んでいる可能性があります。上の部分が小さく引き締まっているものがおいしい証しです。
水分が多いため、あまり日持ちしません。ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存し、2~3日で食べきりましょう。
生のままでも食べやすく、サラダにぴったりです。火を通すと甘みが増し、炒め物やスープの具材でもおいしくいただけます。ぜひお楽しみください。
(令和6年3月6日南日本新聞に掲載)
スナップエンドウはここ10年間で作付面積が5割増、出荷量が6割増と急速に伸び、単価も安定しているため注目を集めている野菜です。中でも鹿児島県は全国の生産量の約6割を占める日本一の産地。2月上旬から出荷が始まり、これから3月にかけてピークを迎えます。
さやのまま食べられるのでカロテンを摂取できます。高血圧予防効果が期待できるカリウムも含みます。さやがふっくらとハリがあるものは実が詰まっている証拠。豆の甘みを楽しめます。上部のがくが鮮やかな緑色のものが新鮮です。
へたと筋を取り、1、2分塩ゆでするだけで食べられます。マヨネーズをつければおつまみになり、サラダやパスタの具材に取り入れてお弁当に詰めれば、色鮮やかに彩ることができます。魚料理の付け合わせにしてもお薦めです。県産スナップエンドウの甘みと、シャキシャキとした食感を楽しんではいかがでしょう。
(令和6年2月28日南日本新聞に掲載)
季節ごとに味や性質が変化するキャベツ。「冬玉(寒玉)」ともいわれる葉の巻きがぎゅっと締まった冬キャベツや、葉が柔らかく、巻きの緩い春キャベツ(春玉)が冬から春にかけて出回ります。
ビタミンCが豊富です。「キャベジン」とも呼ばれるビタミンUは胃の粘膜を修復し、胃潰瘍などの予防に効果があります。骨を丈夫にするカルシウム、血液を凝固させたり、骨にカルシウムを沈着させたりするビタミンKも含みます。
葉が鮮やかな緑色で張りとつやがあり、切り口が白いものが新鮮。軸が大きいと葉が硬いことがあるので、軸が500円玉より小さいものを選びましょう。
冬玉はしっかりと葉が巻かれてずっしりと重みがあるものを選び、炒め物や煮込みに。春玉は外側の巻きがゆったりしていて軽いものが良く、軽めの食感を生かしたサラダや蒸し料理で味わうのがお薦めです。
(令和6年2月22日南日本新聞に掲載)
小松菜は、ホウレンソウと並んで人気の栄養豊富な緑黄色野菜です。年中出回っていますが旬は冬。霜が降りた後の方があくが抜けて甘味が増し、葉も厚く柔らかくなっておいしくなります。
がん予防や免疫力アップが期待できるベータカロテン、風邪の予防や疲労回復に効果的なビタミンC、骨や歯を丈夫にするカルシウムを含みます。ビタミンEや葉酸、鉄も豊富です。
葉の緑色が鮮やかでみずみずしいもの、茎は太く張りがあるものが新鮮です。傷みやすいので早めに使い切りましょう。水で湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するか、固めに茹でて冷凍すると良いです。
あくが少く、下ゆでする必要はありません。油やたんぱく質と一緒に食べるとカルシウムの吸収率が高まるので、鍋物や炒め物などにすると栄養満点です。
(令和6年2月14日南日本新聞に掲載)
タンカンは鹿児島県が日本一の生産量を誇り、2、3月に旬を迎えます。かんきつ類の中でも特に糖度が高く、南国の爽やかな香りとみずみずしさが特長です。
中国の広東省が原産地とされ、ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種と考えられています。明治時代に台湾から鹿児島へ伝わり屋久島や奄美大島など主に暖かい地域で栽培されています。
果肉は柔らかく、甘みとほのかな酸味のバランスが絶妙。風邪予防に効くビタミンC、疲労回復にいいクエン酸、整腸作用のあるペクチンも豊富です。果皮が濃いオレンジ色でみずみずしさがあり、重みを感じるものを選びましょう。
冷暗所や冷蔵庫で乾燥しないようビニール袋などに入れて、1週間程度を目安になるべく早く食べましょう。ジュースやジャム、ゼリーにするのもお薦め。芳醇(ほうじゅん)な香りと、あふれ出るジューシーな果汁をお楽しみください。
(令和6年2月7日南日本新聞に掲載)
キウイフルーツは、1900年代初頭に中国南部からニュージーランドに持ち込まれて品種改良されました。日本では年中出回っていて、12月~翌年4月ごろに店頭で見かけるものは国内産、それ以外の季節は輸入物です。
果肉が緑色のグリーンキウイや黄色のゴールドキウイのほか、赤い色素が広がるレッドキウイやリンゴのような形のアップルキウイ、粒の小さなベビーキウイなどもあります。
すぐに食べない場合は少し硬めのものを選び、追熟させましょう。バナナやリンゴと一緒に袋に入れておくと早く熟します。表面を軽く水で洗えば皮ごと食べることができ、ニュージーランドでは一般的な食べ方のようです。
シミやそばかすの改善に効くビタミンCをはじめ、疲労回復やむくみ予防に有効なビタミンE、食物繊維など栄養素が豊富。美容や健康にお役立てください。
(令和6年1月31日南日本新聞に掲載)
さまざまな料理に使えるニンジンは定番の野菜です。最初に日本に伝わった、漢方薬として有名な朝鮮ニンジンの根の分かれた形が人の姿と似ていたため「人参」と名付けられたそうです。現在、広く流通する西洋系のものは19世紀ごろ日本に伝わりました。
ベータカロテンや食物繊維、ビタミンC、カリウムなどの栄養素を含みます。油と相性がいいベータカロテンは炒め物などの加熱料理で、食物繊維やビタミンC、カリウムは熱に弱いためサラダやジュースなど生のまま調理することで栄養素を損なわずに摂取できます。
表面に張りやつやがあり、全体に濃く鮮やかな色をしているものを選びましょう。水分をふき取り、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫の野菜室に立てて保存するか、カットして冷凍保存するのもお薦めです。栄養豊富なニンジンをどうぞ。
(令和6年1月24日南日本新聞に掲載)
ブロッコリーは調理しやすく、癖がなくて食べやすい野菜です。キャベツの仲間で、原産地は地中海沿岸です。30年ほど前に普及し、今ではすっかり定着しました。
たくさんの小さな緑色のつぶつぶは花のつぼみ。それらが集まった「花蕾(からい)」と花茎の部分が食べられています。緑色が濃く、つぼみがすき間なく詰まり、丸く盛り上がったものを選びましょう。常温だとつぼみが黄色くなってしまうので、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存を。チルド室ならより日持ちします。
ゆで時間が長いと歯ごたえがなくなってしまいます。塩を少し加えて3分くらいゆで、串がすっと通ればOK。冷水にさらすと水っぽくなるので、ザルに入れてそのまま冷ましましょう。
ビタミンCや抗酸化作用のあるベータカロテンを豊富に含んでいます。シチューやサラダ、炒め物にして、鮮やかな色合いと食感の良さをお楽しみください。
(令和6年1月17日南日本新聞に掲載)
甘味と酸味、ほのかな苦みを持ち合わせ、皮ごと食べられるキンカン。鹿児島県の生産量は宮崎県に次いで全国第2位です。ハウスや露地などで栽培され、11月頃から翌年の3月上旬に旬を迎えます。
ポリフェノールの一種「ヘスペリジン」や生活習慣病の予防にも役立つビタミンEを多く含むほか、果物では珍しくカルシウムが豊富です。
少し紅色を帯びた濃い色で、表面に張りやつやがある大粒のものを選びましょう。乾燥しないように袋に入れて冷蔵庫で保存すれば2週間程度持ちます。
皮が柔らかくて糖度が高く、生のまま食べられる「完熟キンカン」も近年人気を集めています。定番の甘露煮やジャム、果実酒といった保存食にするのもお薦めです。
まだまだ寒い日が続きます。ビタミンたっぷりのキンカンを食べて、元気に冬を乗り切りましょう。
(令和6年1月10日南日本新聞に掲載)
新年あけましておめでとうございます。今年のえとは縁起が良いと言われている辰です。
青果市場内には、竜のように眼光鋭い青果の目利き職人が大勢います。確かな眼識で選び抜かれた、旬の新鮮な、そしておいしい野菜や果物が一年を通じてこの市場から各家庭に届きます。
今の時期は水菜、ホウレンソウといった軟弱野菜のほか、大根や白菜、果実ではイチゴやミカン、ポンカンが入荷します。自然の恵みを受けて育つ野菜や果物には必ず旬があり、旬の青果はうま味を一層感じるだけでなく、栄養価が高く、健康面でも大きくサポートしてくれます。
本年も旬の青果物の選び方、保存方法、調理レシピなど、皆様の暮らしに役立つ情報を毎週お届けします。躍動し、上昇し続ける昇竜のごとく、勢いと活気あふれる市場になるよう関係者一体となって頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いします。
(令和6年1月3日南日本新聞に掲載)
イチゴは冬から春にかけて旬を迎え、幅広い世代に愛されています。ビタミンCが豊富で、風邪の予防や疲労回復、美肌効果が期待できます。また眼精疲労や視力の回復、がん予防に効果があるといわれるポリフェノールの一種、アントシアニンも含みます。
表面にツヤがあり、ヘタが鮮やかな緑色でピンとしているものを選びましょう。つぶつぶがくっきりしているかも要チェック。パック売りなら、底に傷んだものがないか、色づきの悪いものがないかも見ておきましょう。また、熟したイチゴは特有の甘い芳香があります。しっかりと香りを感じるものが良いでしょう。
糖は先端に多く、ヘタをカットして中央から食べ始めると最後に甘く感じられます。パックごとポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存を。時間がたつとともに甘みと香りが落ちるので、早めに食べましょう。近年、需要期の12月に出荷できる品種が鹿児島県内でも登場しています。いろいろなイチゴを味わってみてはいかがでしょうか。
(令和5年12月27日南日本新聞に掲載)
水菜は京都で古くから栽培された日本原産の野菜です。畑の畝と畝の間に水を引いて栽培したことから、「みずな」と呼ばれるようになったと言われています。
シャキシャキとした食感と癖のない味から、生で食べられるサラダ用として広まりました。全国の市場で年中出回っていますが、本来は冬から春にかけてが旬とされています。
ベータカロテンやビタミンC・Eが豊富で、鉄分やカルシウム、カリウムも含まれるバランスのとれた野菜です。生活習慣病予防や美肌効果も期待できます。
葉が鮮やかな緑色で茎につやがあり、株に弾力があるものを選びましょう。根元が変色していないかもチェックするポイントです。新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫内で立てて保存しましょう。
肉や魚の臭みを消す作用があり、鍋物にも適しています。炒め物やおひたしなどさまざまな料理でお楽しみください。
(令和5年12月20日南日本新聞に掲載)
大根は春の七草の一つ「すずしろ」としても知られ、昔からなじみ深い野菜です。
胃腸の働きを活性化する酵素が含まれるほか、胃もたれや胸焼けに効くアミラーゼ、発がん物質を解毒しがん予防に効果が期待できるオキシターゼも含みます。辛み成分のイソチオシアネートは血液をサラサラにする作用があります。切り干し大根にすればミネラル成分が濃縮され、カリウムやカルシウムの含量がより高まります。
皮に張りとつやがあり、ずっしりと重みのあるもの、ひげ根の穴は少なめで、ゆがみがなく均一に並んでいるものが良品です。葉は緑色でみずみずしく、変色していないものを選びましょう。
甘みがある上部は大根おろしやサラダ、漬物に、程よい硬さの中央部は煮物に最適です。先端部分は辛いので、炒め物やみそ汁に使うといいでしょう。寒い季節におでんにして温まってはいかが。
(令和5年12月13日南日本新聞に掲載)
桜島小ミカンは、桜島で生産される「世界一小さなミカン」といわれます。果実の直径は5センチ足らず、重さは50グラムほどと小粒。果皮はオレンジ色で光沢があり、果汁は酸が少なく、甘み、香りとも強いのが特徴です。
温州ミカンとは系統の異なる紀州ミカンに属します。江戸時代からすでに桜島で栽培されていたといわれ、徳川幕府に献上されていた記録が残っています。
美容効果の高いビタミンC、発がん抑制作用のあるベータクリプトキサンチン、代謝を助けるミネラルが豊富です。豊かな香りはリラックス効果も期待されます。
ヘタの軸が細く緑色で、皮の色が濃く身が締まったものを選びましょう。冷蔵庫に入れると水分が飛び酸味が増すので、風通しのいい冷暗所でヘタを下に向けて保存すると良いでしょう。皮は乾燥させて細かく刻み薬味にも使えます。
活火山である桜島の下、力強く育った旬の味わいをぜひご賞味ください。
(令和5年12月6日南日本新聞に掲載)
「大将季(だいまさき)」はかんきつ類の不知火(しらぬい)の仲間で、鹿児島県の独自品種です。
品種名は育成者の息子さんの名前にちなんでいます。かごしまブランドに認定され、贈答用にも人気です。
不知火の中で糖度や酸度の基準を満たしたものは登録商標の「デコポン」として流通していますが、大将季もデコポンと同等の基準を満たし、さらに濃い紅色の皮や果肉が特徴です。
糖度と酸味のバランスに優れ、甘みが際立っています。豊富なビタミンCは風邪予防に、ベータクリプトキサンチンはがん予防に効果が期待できます。薄皮には整腸作用のあるペクチンが多く含まれています。果皮の色が濃く、ずっしりとした重みやみずみずしさを感じるものを選びましょう。
でこぼこしてむきにくそうな見た目と違い簡単に手でむけます。
甘みが強く、ジューシーな食感が楽しめます。薄皮をむいてタルトやゼリーにするのもお薦めです。
(令和5年11月29日南日本新聞に掲載)
春菊は、春に菊に似た黄色い花を咲かせることが名前の由来。11月~翌年2月ごろが旬で、葉の切れ込み具合で大葉、中葉、中大葉の品種があり、風味が異なります。
ベータカロテンやビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分と緑黄色野菜としては含まれる栄養素がトップクラス。独特の香りはぺリルアルデヒドという成分で整腸作用や食欲増進が期待できます。
濃い緑色でみずみずしく張りのあるものを選び、湿らせた新聞紙などでくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫に立てて保存します。2、3日で食べきってください。
脂溶性のベータカロテンは肉や魚と合わせれば体内に吸収されやすく、カリウムやカルシウムなどの水溶性ミネラルはスープのように煮汁ごと食べれば無駄なく摂取できます。
独特の香りや癖が苦手な人も少なくないでしょうが、いろいろな調理法を試し、好みの味と健康を手にしてください。
(令和5年11月22日南日本新聞に掲載)
ネギはこれから旬を迎えます。東日本では白い部分を食べる長ネギ、西日本では緑の部分が多い葉ネギが好まれてきたそうです。
長ネギは緑色と白色に分かれていますが、実はどちらも葉です。盛り土を繰り返し栽培することで、土の中で光に当たらない白い部分、土の外で光を浴びる緑の部分ができます。
特有の香りと辛みのもとはアリシンという成分です。血行を良くして体を温めたり、疲労を回復したり、食欲増進にも効果があります。青い葉の部分はビタミンC、カルシウムなどのミネラルを豊富に含み風邪予防にぴったりです。
おいしく新鮮なネギは葉の先まで張りがあり、茎がぎゅっと詰まっています。乾燥と日光に気を付け、新聞紙やラップで包み、野菜室で保管しましょう。
これからの冷え込む季節にネギを食べ、風邪に負けない元気な体を目指しましょう。
(令和5年11月15日南日本新聞に掲載)
ホウレンソウは年中出回っていますが、11月からが旬の冬野菜です。戦後、アニメ「ポパイ」の影響や品種改良が進んだことで、栄養価の高さが注目され、消費が増えました。
葉先までピンと張りがあり、厚みがあって濃い緑色のもの、また、根元が赤くふっくらして、茎が細すぎないものを選びましょう。軽く湿らせた新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。2~3日を目安に使い切りましょう。軽くゆでて水気を切り、小分けしてラップに包んで冷凍保存すると便利です。
アクのもととなるシュウ酸は、えぐみの原因となります。水溶性なのでたっぷりの熱湯で短時間ゆで、水に浸して一気に冷やすと減らせます。ソテーやパスタにする際も下ゆでするといいでしょう。
これからの時季はビタミンCが豊富で、鉄や葉酸、カルシウム、カリウムなどもバランスよく含んでいます。ぜひ健康づくりに役立ててください。
(令和5年11月8日南日本新聞に掲載)
白菜は晩秋から冬にかけて旬を迎えます。ちょうどお鍋が恋しくなる季節にぎゅっと結球し、甘みを蓄えます。漬物から煮込みまで幅広い料理に使える万能野菜です。
大部分は水分で、むくみや高血圧の予防が期待できるカリウムを含みます。スープの食材に加えると溶け出した成分も余すことなく摂取できます。整腸作用がある食物繊維も豊富。加熱すると消化が良くなるので胃腸が弱っている時にもお薦めです。生をサラダにすれば、シャキシャキ食感と本来の甘みを味わえて、ビタミンCもそのまま取れます。
外葉が緑色で葉の先までしっかりと巻き、白い部分につやのあるものを選びましょう。カットしてある場合は葉が詰まってみずみずしく、断面が盛り上がっていないものが新鮮です。
丸ごとなら新聞紙に包んで冷暗所に置き、カットものはラップをして野菜室へ。縦にして保存すると日持ちします。
(令和5年11月1日南日本新聞に掲載)
シイタケはマッシュルーム、フクロタケと共に「世界三大栽培キノコ」とされています。歴史は古く、鎌倉時代から食べられていたといわれます。
「エルゴステロール」という成分を含んでいます。紫外線に当たるとビタミンDに変化し、骨や歯の形成、骨粗しょう症の予防が期待できます。食物繊維も豊富なため便秘改善にも効果があります。かさが開き過ぎず、裏側のひだがきれいな白色のものを選びましょう。洗うと風味が落ちるので、汚れはキッチンペーパーで拭いて落とします。冷蔵保存するなら切らずにキッチンペーパーに包み、かさの裏側を上に。冷凍保存する際はかさと軸は切り離し、かさはそのまま袋に、軸はラップに包んで袋に入れて保存すると良いでしょう。
秋に出回るシイタケは香り高いのが特長です。煮物や揚げ物、汁物などさまざまな料理でお楽しみください。
(令和5年10月25日南日本新聞に掲載)
秋の味覚の一つである柿は、10月中旬から11月に旬を迎えます。甘柿では「富有柿」、渋柿なら「平核無」「刀根早生」「甲州百目」が代表的な品種です。
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言うほど健康食品として優秀です。風邪予防や美肌効果が期待できるビタミンC量は、果物の中でトップクラス。利尿作用のあるカリウムは相乗効果で、二日酔いにも効果的です。タンニンも含まれ、悪玉コレステロール値を減らすタンニンも含まれ、機能性表示食品として認定された品種もあります。
へたの緑色が鮮やかで、実との間に隙間がなく4枚そろっているもの、全体がしっかり色づき、張りがあってしっとりとしたものを選びましょう。
なますやサラダ、白あえにしてもおいしいです。熟しすぎた場合は、凍らせるとシャーベットのような食感が楽しめます。ぜひお試しを。
(令和5年10月18日南日本新聞に掲載)
ゴボウは特有の風味と食感があり、煮物やきんぴら、サラダなどいろいろな料理で楽しめます。
食物繊維が豊富で、水溶性のイヌリンには腸の働きを整え血糖値の上昇を抑える作用があります。不溶性のリグニンにはコレステロール値を抑制し、腸の動きを活発にさせ、便秘解消や大腸がん予防などに効果が期待できます。高血圧予防にいいカリウムや貧血予防になる葉酸のほか、強い抗酸化作用のあるタンニンやクロロゲン酸などのポリフェノールも多く含まれます。
弾力があり、太さがある程度均一で、先端が緩やかに細くなっているものが良品です。表面にひび割れや黒ずみがあり、先端がしおれているものは避けましょう。土付きの方が風味が良く、日持ちもします。
うま味成分は皮の部分に多いため、皮は軽くこそぐ程度が良いでしょう。秋から旬を迎えるゴボウを味わってください。
(令和5年10月11日南日本新聞に掲載)
外国のことわざで「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」と言われるほど、リンゴは栄養豊富な果実です。年間通して手に入りますが、旬は9月から翌年2月ごろ。この時季のものは特に香りが良くおいしいです。
カリウムやビタミンC、食物繊維が含まれ、高血圧予防やコレステロールの低下に役立ちます。抗酸化作用のあるポリフェノール、疲労回復に効くリンゴ酸、整腸作用のあるペクチンなど、さまざまな効果が期待できます。
果実がふっくらとしていて、果皮に張りがあるもの、持ったときに重みがあるものを選びましょう。サイズは大きすぎるものよりも、中玉くらいの方が食味がいいといわれます。
生のりんごからは野菜や果物の追熟を促すエチレンガスが発生するため、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存してください。新聞紙に包んでから入れると余分な水分が吸収されてより長持ちします。
(令和5年10月4日南日本新聞に掲載)
熱帯アジア原産のショウガは世界中で香辛野菜として広く用いられています。初夏から秋にかけ、収穫後すぐの新ショウガは繊維が柔らかく辛味が爽やか。貯蔵後に出荷される囲(かこい)ショウガは年中出回り、辛味が強いのが特徴です。
香り成分のジンギベレンやシトロネラールは消臭や食欲増進の効果があります。独特の辛味成分はショウガオールやジンゲロンなどで、血行促進や体を温める作用があり、冷え症対策にお薦め。特に、しょうが湯や豚汁など加熱する料理に使えば効果が増すとされています。
新ショウガは茎の付け根がきれいな赤色で、みずみずしくつやがあるもの、囲ショウガはふっくらとして硬くしまったものを選びましょう。薄切りや千切りを小分けにしてラップに包み、冷凍しておくと便利です。これから寒くなる季節を迎えます。ショウガ料理で体を癒やしてみてはいかが。
(令和5年9月27日南日本新聞に掲載)
イチジクは日本に江戸時代に伝わり、薬として使われ、「不老不死の果実」とも呼ばれました。
旬は6月から11月ごろで、国内に100種類以上の品種があります。流通量の8割を占める「ますいドーフィン」や日本イチジクとも呼ばれる「ほうらいし」、福岡発の「とよみつひめ」が主です。
ところで、普段食べている部分が「花」ということをご存じですか。実の内側の空洞に小さな花をたくさんつけるため、厳密には花を食べているのです。
傷がなく張りのある実を選び、ラップに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。柔らかくなってお尻が割れたら食べ頃。ほのかな甘みと、ねっとりした濃厚な食感が感じられます。冷凍やスムージーでもおいしくいただけます。
ペクチンやカリウム、カルシウム、鉄分などのミネラルが豊富で、美容と健康にうれしい効果がいっぱい。食べたことがないという方もぜひお試しください。
(令和5年9月20日に南日本新聞に掲載)
栗ごはんやモンブランなど、秋の味覚の定番である栗は今から10月に旬を迎えます。縄文時代の遺跡から出土するほど歴史が長く、平安時代には京都の丹波地方を中心に栽培が盛んになっていったそうです。
炭水化物や食物繊維、ビタミンCの他、糖の代謝を促すビタミンB1、老化やがん予防が期待できるタンニンなどがバランスよく含まれています。おいしい栗は皮が固くハリがあり、光沢があって、ずっしりと重みがあります。穴が開いているものは虫がいるかもしれないので避けましょう。
ポリ袋に小分けし、冷蔵庫でチルド保存するのがお薦め。収穫後3~4日寝かせることでデンプンが糖に変わり甘みが増します。固い皮の処理は一手間が大切。しばらく水に浸すことで皮を柔らかくします。ゆでたり、焼いたりする前にあらかじめ皮に切れ込みを入れると、簡単にむけます。ぜひお試しください。
(令和5年9月13日南日本新聞に掲載)
里芋は東南アジアが原産といわれ、縄文時代には日本へ伝わっていたとみられています。平安時代の辞典「和名抄(わみょうしょう)」には食用になることが記され、万葉集にも詠まれています。
ふっくらと丸みがあって変色や傷がなく、泥付きのものが良品です。皮は湿り気があるほうが新鮮です。お尻の部分が柔らかいと傷んでいたり、鮮度が落ちていたりする可能性があるので注意しましょう。低温と乾燥に弱いので、軽く湿らせた新聞紙に包んで冷暗所に保存します。
ぬめりはガラクタンやマンナンという成分に由来します。前者は免疫力を高め、血中コレステロールの抑制や便通をよくする働きがあり、後者も糖尿病予防などが期待されます。ナトリウムや葉酸、ビタミンB6も含んでいます。
皮付きのままラップに包み、電子レンジで加熱すれば手でむけます。筑前煮や煮転がし、コロッケなどいろいろな料理で楽しんでください。
(令和5年9月6日南日本新聞に掲載)
鹿児島県はサツマイモの収穫量が全国1位を誇ります。中米が原産といわれ、江戸時代に薩摩(鹿児島)から全国に伝わったので「サツマイモ」と呼ばれるようになりました。
現在は改良が進み、ホクホク食感の「紅あずま」や「紅さつま」、ねっとりとした「安納いも」「紅はるか」、舌触りが滑らかでしっと系の「シルクスイート」など多様な品種があります。
腸の状態を整え、便秘予防が期待できる食物繊維が豊富です。切り口から出る乳白色の液体・「ヤラピン」にも整腸作用があります。皮に張りがあり、傷や黒ずみがなく、ひげ根の少ないものを選びましょう。低温と乾燥に弱いので、冷蔵庫には入れず、新聞紙に包んで風通しの良い冷暗所で保存してください。
語呂合わせで8月31日は野菜の日に制定されています。サツマイモをはじめ、今が旬の夏野菜などいろいろ味わってみてください。
(令和5年8月30日南日本新聞に掲載)
青ジソは別名「大葉」とも呼ばれる緑色のシソの葉です。1年を通して安定的に出荷されていますが、旬は夏です。
すがすがしい香りが特長です。この香りの成分の防腐・殺菌作用を生かした刺し身のつまをはじめ、料理に風味をプラスするのに便利です。栄養価が高く、皮膚や粘膜を正常に保つために必要なベータカロテンや、肌荒れの改善、成長の促進、造血作用に役立つビタミンBを豊富に含みます。
緑色が濃く、みずみずしいものを選びましょう。水分を与えると日持ちします。湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。1枚ずつ葉を包めばより長く保存ができます。
麺類の薬味やドレッシングのほか、緑色が鮮やかな天ぷら、お肉に巻くのもお薦めです。食卓に彩りを加えてみてはいかがでしょうか。
(令和5年8月23日南日本新聞に掲載)
9月にかけて旬を迎えるナシは、シャキシャキした食感と、果汁が滴るジューシーさが特長です。幸水や豊水、新高(にいたか)など果皮が茶色い「赤ナシ系」と二十世紀のような緑色の「青ナシ系」があります。
代表的な品種の幸水は果肉が柔らかく、果汁たっぷりでひと口食べると強い甘みが広がります。次いで生産量の多い豊水は程よい酸味があります。新高はみずみずしい食感と風味豊かな甘さがあり、大きい物は1キロにもなります。二十世紀はシャリシャリとして、甘みと酸味がバランスよく調和しています。
水分と食物繊維が比較的多く、糖アルコールのソルビトールを含み、便秘予防が期待できます。カリウム、アスパラギン酸は疲労回復や高血圧予防に効果的です。形が良く、皮に張りがあり、お尻がどっしりとして広い物を選びましょう。
旬のこの時季にさまざまな品種を食べ比べてみてはいかがでしょうか。
(令和5年8月16日南日本新聞に掲載)
サラダに使うと見栄えがよく、食感も楽しめるレタス。葉が巻いた玉レタスやサニーレタスなどの葉レタスがあります。
高血圧予防に効くとされるカリウムや造血作用のある葉酸を含みます。サニーレタスは鉄、骨の形成に作用するカルシウム、ビタミンKのほか、抗酸化作用のあるベータカロテンも豊富です。
みずみずしく、芯が10円玉くらいの大きさで、切り口が変色していないものを選びましょう。玉レタスは葉の巻きが柔らかく、ふんわりとして軽いものが甘い傾向にあります。葉レタスは葉先まで色がきれいで張りがあるものが良品です。
食べる直前に冷水につけるとパリッとした食感になります。手でちぎると切り口の変色を防げて、ドレッシングも絡みやすくなります。炒め物やスープにするのもお薦めです。
暑い夏に冷やしたレタスの食感を味わってみてはいかがでしょう。
(令和5年8月9日南日本新聞に掲載)
鹿児島で「つが」と呼ばれるトウガンは、漢字で「冬瓜」と書きますが、実は夏野菜です。貯蔵性が高く風通しのいい場所なら冬まで保存できることが名前の由来と言われています。
約95%が水分です。多く含まれているカリウムには体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、高血圧予防や、利尿作用によるむくみ解消に効果が期待できます。
丸ごとで買うなら皮の緑色が鮮やかでつやがあり、ずっしり重いもの選び、冷暗所で保管しましょう。カット物は実が白く、みずみずしいものがお薦め。種とわたを取り除き、ラップをかけて冷蔵庫に入れてください。
淡泊な味わいのためどんな食材ともなじみます。煮物や汁物、漬物のほか、皮は捨てずに薄切りにすれば、きんぴらや炒め物に使えます。トウガン料理を食べて暑い夏を乗り切りましょう。
(令和5年8月2日南日本新聞に掲載)
果汁たっぷりで甘い香りの日本のモモは、白桃が元祖と言われます。改良により「白鳳(はくほう)」「あかつき」など多彩な品種が誕生しました。原産地の中国では3千年以上前から食用栽培されていたそう。いつ日本に伝わったのかは定かではありませんが、古事記や万葉集にも登場しています。
主成分のフルクトースは砂糖の1.5倍の甘さ。疲労回復に即効性があり、体力が落ちやすい暑い夏のエネルギー補給にお薦めです。ペクチンなどの食物繊維や血圧を下げるカリウムも含まれます。
きれいな丸みと張りがあり、赤く色づいた香りの強いものを選びましょう。果肉が硬ければ常温で追熟を。甘みと香りを堪能するには冷やし過ぎないのがコツで、30分から1時間程度が目安です。皮の近くの方が甘みが強いため皮は薄くむきましょう。ジューシーで滑らかな食感をぜひ味わってください。
(令和5年7月26日南日本新聞に掲載)
かごしまの伝統野菜のヘチマを紹介します。本来は糸瓜と言い、鹿児島では「ながうい」「いとうい」とも呼びます。一説には「いとうり」が縮まって「とうり」となり、「と」はいろは歌で「へ」と「ち」の間にあることから「ヘチマ」になったとか。
たわしや「緑のカーテン」のイメージが強いですが、鹿児島や宮崎、沖縄では古くからなじみのある夏野菜。抗酸化作用があるサポニン、βカロテンのほか、ビタミンCは生活習慣病予防や美肌効果、カリウムは高血圧予防、ペクチンは糖尿病や肥満予防と優れた働きがあり、低カロリーでダイエットにも適します。
小ぶりで表面につやがあるものを選びましょう。ひと口大に切り、みそを使った炒め物や汁物のほか、シチューやカレーにしてもおいしくいただけます。皮が硬いので必ず皮をむくのが調理のポイント。優しい甘みとトロリとした食感をいろいろな調理方法でお試しください。
(令和5年7月19日南日本新聞掲載)
夏から秋にかけて旬を迎えるブドウは、これから出荷量が増え始めます。栽培の歴史は長く、古代エジプトの時代には既にワインの原料として栽培が始まっていたそうです。
世界的には生産量の7割がワイン原料ですが、日本国内だと9割が生食用です。乾燥した土地で育つブドウにとって日本の雨が多い気候はが発生しやすく、栽培に適さない環境でした。しかし、品種改良が進み、巨峰やデラウェア、シャインマスカットなど現在では60種類以上が栽培されています。
ブドウ糖や果糖、ポリフェノール、ミネラル類、ビタミンなどが豊富に含まれ、視力の改善や疲労回復、老化防止といった効果が期待されます。
茎が太く、粒がそろっていて、皮にハリがあるものを選ぶことがポイントです。房の上側ほど甘みが強く、下側から順番に食べていくと、よりおいしく食べられます。
(令和5年7月12日南日本新聞掲載)
ナス科に属するトマトはアンデス高地が原産。江戸時代に日本に伝わりました。当時は観賞用で、食用栽培は明治以降、一般家庭に普及したのは第二次世界大戦後になります。
今が旬の夏野菜です。大玉の桃太郎、ミニトマトのアイコ、品種ではありませんが塩トマトなど種類はさまざま。赤くずっしり重いもの、皮に張りとつやがあり、ヘタが緑色でピンとしたものが新鮮です。果頂部に放射線状の筋がきれいに出ていると甘みが強いとされています。
青みがある場合は常温でしばらく保存しましょう。酸味が和らぎ果皮も赤くなってきます。完熟したものはラップするかポリ袋に入れて冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べましょう。
豊富に含まれるリコピンは、抗酸化作用が高く、免疫力アップや発がんを抑える効果があると言われています。油に溶けやすく、熱にも強いので、シチューやパスタ、煮込み料理もお薦めです。
(令和5年7月5日南日本新聞掲載)
代表的な夏野菜の一つであるナスは、これから出荷量のピークを迎え、店頭に多く並びます。
成分の90%以上は水分ですが、ビタミンKやカリウム、葉酸、食物繊維をバランスよく含んでいます。皮には抗酸化作用のあるポリフェノールの一種「ナスニン」が豊富で、高血圧などの生活習慣病予防や眼精疲労の緩和が期待できます。
皮が濃い紫色で、張りとツヤがあり、ふっくらした重みのあるものを選びましょう。冷気と乾燥に弱いので、新聞紙などに包み冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。冷やしすぎると硬くなり、味が落ちます。切って水にさらしてあくを取ってから、または素揚げなど加熱調理をしてから冷凍すると、みそ汁や炒め物にそのまま使えて便利です。
油との相性が良く、加熱すると食感が滑らかになります。天ぷら、焼きナス、煮浸し、マーボーナスなど、幅広いメニューで味わえます。
(令和5年6月28日南日本新聞掲載)
ゴーヤーは代表的な夏野菜で、主に沖縄県で使われる呼び名です。和名は「ツルレイシ」または「ニガウリ」。エコ対策で「緑のカーテン」に使われているのを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
ビタミンC、カリウム、カロテンなどが豊富で、特にビタミンCは油で炒めても減りにくい特長があります。独特の苦み成分はモモルデシンと呼ばれ、血圧や血糖値を下げる効果や食欲増進作用があり、夏バテ予防にぴったりです。
鮮やかな緑色で変色しておらず、重みのあるもの、イボが隙間なく詰まって程よい弾力があり、みずみずしいものを選びましょう。色が濃いと苦みが強い傾向があるので、苦手な方は色の薄いものを選ぶのもポイントです。
種とワタをとり、キッチンペーパーに包んで冷蔵庫で保存すると長持ちします。炒め物やおひたし、酢の物、揚げ物などさまざまな料理でお楽しみください。
(令和5年6月21日南日本新聞掲載)
代表的な夏野菜の一つであるピーマンを紹介します。栄養豊富な緑黄色野菜で、パプリカ、ジャンボピーマンと幅広い品種が店頭に並びます。これからが最も出回る時季です。
独特の香りや苦みから、以前は苦手な野菜の代名詞的な扱いを受けることもありました。近年は品種改良によって苦みが少ないものが多く流通しています。パプリカや赤ピーマンはくせがなく、甘くて、生でおいしく食べられます。
主な栄養素はビタミンCで、風邪予防や疲労回復、肌荒れなどに効果があります。
パプリカならオレンジのものは6分の1個、赤色だと3分の1個で一日の必要量を摂取できます。色が均一で濃く、つやがあり、軸の切り口が変色したり干からびたりしてないものを選びましょう。
緑色のピーマンは、加熱すると苦みが和らぐので、チンジャオロースなどの炒め物や肉詰め、天ぷらにお薦めです。食卓を華やかに彩ってくれるでしょう。
(令和5年6月14日南日本新聞掲載)
アスパラガスには緑色のグリーンアスパラガスと、日光が当たらないように栽培したホワイトアスパラガスがあります。
新陳代謝を促し、疲労回復に効くアミノ酸の一種・アスパラギン酸や、穂先には毛細血管を強くし高血圧予防の効果があるルチンが含まれます。抗酸化作用のあるベータカロテンや造血作用のある葉酸も豊富。グリーンアスパラガスの方が栄養価が高いです。
茎が太めでまっすぐに伸びて張りがあり、穂先がほどよく締まったものを選びましょう。成長しすぎたり、鮮度が落ちたりすると穂先が乾いて開き、味や食感が損なわれます。茎の細すぎるものや縦筋の多いものも避けましょう。
炒め物や煮物、揚げ物のほかサラダにも使えます。天ぷらや炒め物にする場合は、下ゆでせずに生のまま調理したほうが風味よく仕上がります。旬の甘みとシャキッとした食感を味わってください。
(令和5年6月7日南日本新聞掲載)
スイカは成分の約90%が水分のため、体を冷やす作用があり、暑い夏に最適です。
血圧上昇を抑えるカリウム、むくみや利尿に効果のあるシトルリンが含まれています。赤いスイカのベータカロテンには抗酸化作用があるといわれます。
近年はカット売りや、食べやすくサイコロ状に切ったパック売りが多く出回っています。少人数で食べきれる小玉の需要も増えています。玉で買うなら、丸みを帯び、縞模様がくっきりしていて、軽くたたいてポンポンと良い音がするものを選びましょう。カットしてある場合は、切り口が滑らかで、果肉に空洞がないものが新鮮です。
収穫から日がたつにつれ、シャリっとした歯ざわりが失われてしまいます。買ったらすぐに冷やして早めに食べましょう。皮の白い部分は薄切りにして漬物にするとおいしく食べられます。ゴミも減らせるので、ぜひ試してみてください。
(令和5年5月31日南日本新聞掲載)
鹿児島県は全国2位のカボチャ生産量を誇ります。外国産など一年を通して流通していますが、県産のホクホクした味わいは、どこにも負けない一級品です。春と秋楽しむことができ、これからは春物が最も多く出回る時季を迎えます。
免疫力を高め、がん予防に効果があると言われるベータカロテンが多く含まれています。カリウムやビタミン、食物繊維も豊富で、血圧を抑える効果や便秘の予防・改善も期待できます。
皮が硬く表面につやがあり、ずっしりと重みがあるものを選びましょう。丸ごとなら風通しのいいところで1~2カ月ほど保存できます。カットされている場合は、果肉の色が濃く、肉厚で、種がふっくらしているものがいいでしょう。
煮物やスープ、素揚げにしてカレーのトッピングにもお薦めです。色鮮やかなオレンジ色を生かし、食卓に彩りを加えてみてはいかがでしょう。
(令和5年5月24日南日本新聞掲載)
缶詰や水煮として出回っているヤングコーンは、トウモロコシの実を大きく育てるために摘果された未熟な実のことで、「ベビーコーン」とも呼ばれます。5、6月ごろに収穫され、今の時季は皮付きのまま店頭に並んでいるのを見かけます。
食物繊維やカリウム、ビタミンB1・B2など、栄養成分はトウモロコシとそれほど大きな違いはありませんが、エネルギーや糖質が比較的少なくヘルシーです。
皮付きの方が鮮度が長持ちするので、見かけたら購入してみてください。皮が乾燥しておらず、ひげ根のみずみずしいものがお薦めです。
新鮮な場合は生でも食べられます。ひげ根もゆでればサラダやあえ物、みそ汁の具などに活用でき、皮ごと焼けば実と一緒においしくいただけます。
旬のこの時季、ほのかな甘みとシャキシャキした食感をぜひ味わってください。
(令和5年5月17日南日本新聞掲載)
夏野菜として知られるオクラ。鹿児島県の生産量は全国最多で、シェアは国内全体の4割を超えます。
原産地はアフリカ北東部と言われ、暖かい環境でよく育ちます。毎年種をまいて栽培するため一年草のイメージがありますが、実は多年草。年中温暖な原産地付近や熱帯地域では繰り返し花を咲かせるそうです。
特徴であるネバネバ成分は水溶性食物繊維です。血液中のコレステロールを減らして血圧をさげ、整腸作用もあります。カルシウムやカリウム、カロテンも豊富に含み、免疫力を高めることができます。
生でも食べられますが、うぶ毛を取ってからゆでると舌触りが良くなります。サラダや揚げ物、酢の物などさまざまなレシピをお楽しみください。
これから旬を迎えるオクラを食べて、初夏の暑さを乗り切りましょう。
(令和5年5月10日南日本新聞に掲載)
ラッキョウはカリッとした食感に、独特の辛みや風味があります。中国原産で生薬としても用いられ、「薤白(ガイハク)」と呼ばれます。鹿児島県は鳥取県に次ぐ全国2位の生産量を誇る産地です。
糖や脂肪の吸収を穏やかにする水溶性食物繊維を多く含み、血糖値やコレステロールの上昇を抑えるなど、その効能が注目されています。健胃、整腸、食欲増進の作用があり、漢方薬に使われることもあります。
生だと刺激が強いため、甘酢に漬けて食べるのが一般的。さっとゆでてから千切りにしてサラダに加えたり、薄切りにして豚肉などと炒めてもおいしく食べられます。
鹿児島県産はこれから旬を迎えます。粒がふっくらとして丸みを帯び、適度な硬さがあるものがお薦め。表面に傷がなく、芽の出ていないものを選びましょう。ぜひ健康づくりに役立てください。
(令和5年5月3日南日本新聞に掲載)
ビワは初夏の訪れを告げる果物として親しまれています。鹿児島県産はこれから5月にかけて旬を迎えます。ひとつひとつ丁寧に袋をかぶせて収穫し、運ぶ時も傷がつかないよう慎重に扱われます。
種が大きく食べる部分が少ないと思われがちですが、日本食品標準成分表によると可食部は7割に上り、これはバナナより多いです。豊富に含まれているベータカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜、消化器官を正常に保つ働きをします。
鮮やかなオレンジ色で、果皮に張りがあり、産毛が残っているものがお薦めです。買ったらすぐに食べるようにしましょう。冷蔵庫に入れると傷みが早くなり、風味が落ちるので、冷やす場合は食べる直前にしましょう。へたを持って反対側から皮をむくと上手にむけます。
ほんのり甘く、みずみずしい味わいをぜひ楽しんでください。
(令和5年4月26日南日本新聞に掲載)
高級品の代名詞だったメロンは、最近は多くの品種が開発され、身近な果物として広く食べられるようになりました。
果肉の色によって「赤肉系」や「青肉系」、「白肉系」に分類されます。赤肉は夕張メロン、青肉はアンデスメロン、白肉はホームランメロンがあります。
カリウムを多く含み、動脈硬化や高血圧の予防を期待できます。水分バランスを調節する働きもあり、利尿作用やむくみ解消にも効果があります。
網目がある品種は、筋が浮き上がり、均等に張っているもの、網目がないものは、形が整い、果皮に変色した部分がないものを選びましょう。また、持つ時に重みがあるものがお薦めです。
完熟前なら、常温で追熟するとおいしく食べられます。カットした場合は、ラップで包み、冷蔵庫で保存しましょう。ジュースやシャーベット、サラダなどいろいろな調理法でもお楽しみください。
(令和5年4月19日南日本新聞に掲載)
滑らかな口当たりと濃厚な甘さが特長のマンゴーは、南国フルーツの一つ。鹿児島県独自の「夏姫」は、糖度が15度以上、重さ350グラム以上、外観の紅色3分の2以上という基準をクリアしたブランドで、これから夏にかけて出荷されます。
ビタミンAのもとになるベータカロテンを多く含み、肌の健康維持やがん予防への効果が期待できます。貧血に効く葉酸や腸の働きを整える食物繊維も豊富です。
果皮が全体的に赤く、張りがあるものが、よく熟していて食べ頃です。さいの目状に切り込みを入れ、果肉を反り返らせた「花切り」にして食べるのが見た目も良く、お勧めです。
国産品の多くは完熟した状態で出荷され、購入後すぐに食べられます。保存する場合は水で湿らしたペーパータオルで包み、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
これから旬を迎える南国フルーツを、ぜひ味わってください。
(令和5年4月12日南日本新聞に掲載)
グリーンピースはエンドウ豆が熟す前に収穫したもので、春から初夏が旬です。新鮮なものは甘みがあり、豆ご飯や卵とじなどにして季節の味を楽しめます。
レシチンやオレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く、高血圧や動脈硬化の予防効果が期待できます。食物繊維も豊富です。疲労回復効果があるビタミンB1やアスパラギン酸、脳を活性化するリジンや子どもの成長に大切なアルギニンなどの必須アミノ酸、カリウムも含まれます。
さやがふっくらとしていて張りがあり、きれいな黄緑から緑色のもの、さやの表面やへたが変色していないものを選びましょう。さやから出して時間がたつと風味が低下するため、さや付きがお薦めです。
ご飯を炊くときなどに、さやも一緒に入れるとだしになり風味が増します。香りも甘みも格別な旬の味をぜひ楽しんでください。
(令和5年4月5日南日本新聞に掲載)
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