更新日:2025年7月1日
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このページでは、建築基準法第3条に関する既存不適格建築物にかかる建築等行為の法的取扱いについて概要を説明しています。
法令の内容をすべて網羅するものではありませんので、詳細については建築基準法の条文や関連法令をご確認ください。
建築物は、原則として建築基準法に適合することが求められます。
しかし、法改正や都市計画の変更などにより、既存の建築物が現行の建築基準法に適合しなくなる場合があります。
このような場合に、現行法への適合を一律に求めることは合理性を欠くため、以下の条件を満たす建築物については、建築基準法第3条第2項により現行法の適用が免除されます。これらを「既存不適格建築物」と呼びます。
なお、既存不適格建築物は、現行法の適用が除外されるため、違反建築物ではなく、法令に適合している建築物とみなされます。
以下のいずれかに該当する工事(以下「建築等行為」という。)を行う場合は、原則として既存不適格部分も含めて現行法の適用が求められます。(一部の規定については、緩和措置があります。次項参照)
一部の規定については、政令で定める範囲内で緩和措置があります。
緩和の対象範囲は、建築等行為の種別によって異なります。
ただし、緩和措置のある規定であっても、その行為により「適用を受けていなかった規定が新たに規定対象となる部分」や「新たに建築等行為を行う部分」には、現行法が適用されるのでご注意ください。
緩和措置の形態は主に以下に分類されます
参考資料
既存不適格調書(建築等行為に伴う確認申請の際に添付が必要となる資料です。増築等の工事種別に応じた適用除外条文や緩和措置の確認にご活用ください。)
No | Q | A |
1 |
確認申請の経過がない(または検査済証が未交付)場合でも建築等行為は可能か? |
既存建築物が実態として法令に適合している(現行法に適合している、または既存不適格建築物である)場合は可能です。 調査方法については以下のガイドラインを参考としてください。 |
2 |
建築等行為を予定している建築物の既存部分に法不適合部分がある場合はどのようにしたらよいか? |
既存部分に法令違反がある場合(違反建築物)、そのままでは建築等行為の確認申請は認められません。したがって、建築行為に先立って、または建築等行為と同時に、違反部分を是正し、建築基準法に適合させる必要があります。 |
No | Q | A |
1 |
同一敷地内に別棟で増築する場合も、既存建築物の現行法への適合性が求められるか? |
別棟である場合、既存不適格部分に対して現行法の遡及適用は生じません。 |
2 |
法令への適合性が不明(確認申請等の履歴が無いなど)な建築物がある敷地に別棟で増築を計画しているが、既存建築物の扱いはどうなるか? |
既存建築物について、建築士による調査により、法令に適合しているかを確認してください。法令違反が確認された場合は、是正を行う必要があります。 |
3 |
一棟増築する場合、既存部分にも現行法の構造規定が適用されるのか |
既存建築物や増築の規模、接続方法により構造規定の遡及の有無が異なります。 |
No | Q | A |
1 |
大規模修繕・模様替を行う場合、既存部分にも現行法の構造規定が適用されるのか |
大規模の修繕、模様替においては、原則として建築基準法第20条(構造耐力)の規定は、緩和措置により適用除外となります。 |
2 |
大規模修繕・模様替とはどのような行為のことか |
建築物の主要構造部の1種以上について行う過半の修繕又は模様替をいいます。 詳細は以下の資料をご確認ください。 |
3 |
用途変更を行う場合、既存部分にも現行法の構造規定が適用されるのか |
用途変更においては、原則として建築基準法第20条(構造耐力)および第37条(構造方法)の規定は遡及適用されません。ただし、用途変更により荷重条件が変更され、特に積載荷重が増加する場合には、当初の構造設計条件への適合性の確認や、必要に応じて構造再計算を行うなど、安全性の検証が求められます。 |
よくある質問
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