更新日:2023年12月12日
ここから本文です。
「O157」という言葉は比較的耳にする言葉ですが、このような大腸菌はベロ毒素と呼ばれる毒素を産生します。
この毒素を持つ大腸菌は「腸管出血性大腸菌」と呼ばれ、この菌によって起こされる病気が「腸管出血性大腸菌感染症」と呼ばれる病気です。
なお、この「腸管出血性大腸菌」の代表的なものがO157であり、他にはO26、O111などもあります。
O157をはじめとする腸管出血性大腸菌が起こす腸管出血性大腸菌感染症は、夏季に多く発生(冬季にもみられます。)しており、小児や高齢者の場合、重症化するケースもあります。
症状としては、無症状のもの、軽い腹痛や下痢だけのもの、頻繁な水様便、激しい腹痛、血便、嘔吐や38℃台の発熱を伴うもの等、様々な病態があります。なお、発熱については多くは一過性のものです。
中には(これらの症状がある者の6~7%)、腎機能の障害などを起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害など)などの重症な合併症を起こし、小児や高齢者では重篤となるケースもあります。
激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。
おおよそ3~8日といわれます。
最初は頻回の水様便で始まり、さらに激しい腹痛を伴い、まもなく血便が出ることがあります。
菌に汚染された飲食物を摂取したり、感染者の糞便に含まれる菌が、直接または間接的に口から入ることで感染します。
咳、くしゃみ、汗などでは感染しません。
また、母乳の中にはこの菌は含まれていないので、母乳を介して赤ちゃんに感染することもありません。
学校保健安全法では、腸管出血性大腸菌感染症は第3種の学校において予防すべき感染症に指定されており、症状のある方の場合には、医師によって伝染のおそれがないと認められるまで出席停止となっています。病原体を持っているが無症状の方の場合には、出席停止の必要はなく、手洗いの励行などの一般的な予防方法の励行で二次感染が防止できるとされています。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください